大津市を舞台にした小説「成瀬は天下を取りにいく」と「成瀬は信じた道をいく」ゆかりの地を巡るスタンプラリーの「ときめきコース」が現在、膳所駅周辺で開催されている。
滋賀県が導入しているデジタル地域コミュニティー通貨「ビワコ」を使うデジタルスタンプラリー。参加者はスマートフォンアプリ「まちのコイン」を使って各スポットに掲示されている2次元コードを読み取りスタンプを取得する。
4月から大津市内で実施中の「成瀬が歩いた道をいく聖地巡礼スタンプラリー」のショートコースで、11月から新たにときめきコースが追加された。膳所駅からフレンドマート大津テラス店までの「ときめき坂」にある3スポットに絞り、成瀬気分を味わえる「パトロール体験」を加えた約30分のコース。12スポットの通常版は「回り切れない」という声もあり、著者の宮島未奈さんの「もっと気軽に参加できるコースを」という提案を受けて誕生した。
パトロール体験は、主人公の成瀬あかりが日常的に行っているときめき坂のパトロールをオンラインで体験する。地域の人にあいさつする、ごみを拾うなど、作中の成瀬が行うパトロールを再現する内容で、「まちのコイン」アプリから「パトロール完了!」と送信するとスタンプが付与される。滋賀県市町振興課の山崎めぐみさんは「成瀬になり切って、成瀬の世界観に触れてもらえたら」と話す。
3スポットとオンライン体験を完了し、コースを達成すると、コミュニティー通貨500ビワコに加え、「成瀬のペーパーしおり(復刻版)」が進呈される。
成瀬シリーズのスタンプラリーは4回目で、これまでの参加者は延べ7000人以上。山崎さんは「成瀬スタンプラリーをきっかけに毎月滋賀に来るようになったという人もいる。地域との関わりを深めるきっかけになっている」と話す。
山崎さんは「ときめき坂を歩きながら、成瀬がどんな気持ちで膳所の町を見ていたのか思いをはせてもらいたい。まちのコインをきっかけに、大津だけでなく県内のさまざまな地域に足を運んでもらえれば」と呼びかける。
参加無料。達成特典は5000枚限定で、1人1枚まで。交換は「フレンドマート大津テラス店」と「滋賀県庁市町振興課」で行う。3月31日まで。