準絶滅危惧種のイチョウウキゴケが滋賀県内に広く分布していることが琵琶湖博物館(草津市)のフィールドレポーターの調査で分かり、同館常設展示室で5月7日から調査結果が展示されている。
イチョウウキゴケはコケ植物の一種で池や水田などに生息するが、近年、水質汚濁や農薬の使用によって個体数が減少し、2007年に環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定された。
一般市民で組織する「フィールドレポーター」は1997年より活動を開始。県内の自然や生き物を調査し、イチョウウキゴケの調査は昨年5月~9月に行った。
5カ月にわたり25人で210件の調査票を集めた結果、調査地点の半分以上で数多くのイチョウウキゴケの分布を確認。湖西地方では多く確認できるのに対し、湖東地方では南になるほど見られなくなるという分布の偏りも発見した。
同館広報の桝永さんは「滋賀県には昔にたくさん見かけられたという声がたくさん聞かれたことから調査を開始した」と話し、「参考となるデータが今までなかったので、今回の調査結果が一つの指標になるのでは」と期待を込める。
今月21日に同館で開かれるフィールドレポーター交流会で今回の調査結果を報告する。桝永さんは「一般の方も参加可能なので、ぜひ来てほしい。他にも正月遊びなどいろいろな研究を発表するので楽しんでいただければ」と話す。
展示は今秋までを予定。