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大津ジャズフェス今年も開催ー街が音楽であふれる2日間始まる

街なかの会場で気軽にジャズを楽しむ。プレーヤーのすぐ側で演奏を聞けるのも魅力(大津百町館会場)

街なかの会場で気軽にジャズを楽しむ。プレーヤーのすぐ側で演奏を聞けるのも魅力(大津百町館会場)

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 「大津ジャズフェスティバル」が10月13日、大津市中心市街地を会場に幕を開けた。2009年に第1回目を開催し、今回で4回目の開催となる。同フェス生みの親で昨年まで実行委員長を務めた小山誠治さんが2月に逝去。小山さんの分まで頑張ろうと実行委員全員で開催にこぎ着けた。

「第4回大津ジャズフェスティバル」ゲストプレーヤー「ルー・タバキン・トリオ」。世界の一流プレーに観客は酔いしれた。

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 かつて小山さんは「ジャズフェスがしたいという気持ちが以前からあったのですが『したい』から『する』に変わったのは地元コーディネーターの方と大津百町の惨状を見て回ったその日です。街のためにジャズフェスが一助を担えればとドンキホーテになりました」と語っていたという。単なる音楽イベントではなく「街のため」という熱い思いで生まれたのが同フェスだ。

 13日はJR大津駅前から菱屋町、丸屋町など市内中心部を経由しなぎさ公園おまつり広場に至る16会場で総勢80組を超すミュージシャンがJAZZを中心にブルース、ポップス、ロック、フォーク、ゴスペルなど多彩な演奏を披露。海外から招聘(しょうへい)したフルート、テナーサックス奏者ルー・タバキンさん率いる「ルー・タバキン・トリオ」や、滋賀県出身でニューヨークを拠点に活躍するジャズシンガー深尾多恵子さん、ジャズピアニスト藤井貞泰さん、コンテンポラリー・ジャズグループ「バーミリオンフィールド」らのゲストプレーヤーによる公演も行われた。メーンゲストの「ルー・タバキン・トリオ」の演奏は17時から大津市民会館大ホールで行われ、満席となった客席から世界の一流プレーに大きな拍手が送られた。

 膳所の杉本順子さんは「いつも都合がつかなかったが、やっと来られた。12時の大津駅前ステージから順番に回り演奏を楽しんでいる。各会場とてもすてきな演奏が聞けて感動。平井酒造では普段入れないような酒蔵の中で演奏が聴けてラッキーだった」と笑顔を見せた。

 ジャズ・ボサノバシンガーの若松美恵子さんは「見る側の立場で毎年参加していましたが、自分も出てみたいと思うようになり応募、幸運にも当選し初めて出演させていただいた。会場は満員のお客さま。みんな、それぞれ音楽を楽しみに来てる方ばかりでとても雰囲気もいい。来年も出演したい」と意欲を見せる。

 1回目からボランティアとして参加してきた東近江市在住の小森俊彦さんは「市民がつくり上げる中で、多くのつながりができる事が最大の良さでは。昔、楽器をしていた人が仲間とともにバンドを再結成し出演するといったことが起きている。今まで発表の場がなかったが、大津ジャズフェスがそうした場所にもなり、参加するのも市民、ボランティアも市民、出演するのも市民。興業イベントにはない、街の中に溶け込むイベント性が面白い」と運営に関わってきた感想を述べる。13日は西友前ステージのボランティアリーダーとして現場の運営に当たった。「買い物に来た高齢の夫婦が買い物袋を持ったまま音楽に耳を傾けていく。わざわざ感がないのもストリートステージの魅力」と話す。

 各会場では募金も受け付けている。募金の一部は仙台の「定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル」実行委員会が主体として震災復興支援に取り組む「東日本大震災JSF復興支援プロジェクト」に寄付される予定。

 14日はJR大津駅前と湖岸地域の12会場で12時より約62組が演奏を予定。滋賀県在住のトランペッター浜田博行さん(16時、市民会館)やテナーサックス奏者西村有香里さん(13時、市民会館)らのゲストプレーヤー6組も登場する。会場、出演者、演奏スケジュールなど詳しくはホームページで確認できる。入場無料。

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