かつては城下町として栄えた膳所商店街で「とれとれ市」(大津市膳所2丁目)が開かれ、2周年を迎える。
現在43軒の店舗が存在している同商店街では、スーパーやコンビニエンスストアの進出、若い担い手の減少などから客足も少なくなる中、閉店した空き店舗を利用し、10店舗が出店する同市を始めた。
1年前からは、商店街に旧東海道が走っていることから、歌川広重の東海道五十三次の浮世絵を看板に見立て、膳所商店街振興組合加盟店舗前に掲示。本年度からは、花見シーズンには100本の街灯に桜の造花を飾り、膳所城下町の風情が残る町並みに色を添える。
市には和菓子、パン、お茶、ジュース、生鮮食品などの食料品、雑貨、文具、時計、衣料などの生活必需品がそろう。地産地消推進のため、大津市、地元膳所で採れた新鮮野菜の販売に始まり、手作りの日替わり総菜も100円から販売している。高齢者が歩いて買い物に来られるのが好評で、地域の触れ合いの場としても機能している。
電化製品店を営む同組合理事長の中塚通さんは「野菜、肉、魚がない商店街はあかん。近隣の年寄りはどうするのか。困った時に頼れるのは地元の店。安さよりも付き合いの長さだ」と地域社会を守ってきた。また「1人ではなく、仲間でまちをつくりたい。運営が大変だが、動くとつながっていき、今年は売り上げも増加した。5年を目標に頑張る」と話す。
営業時間は9時~18時。水曜・木曜定休。同組合は、桜の名所として知られる膳所城跡・膳所公園で4月7日に行われる恒例「膳所桜まつり」にも模擬店を出店。まつりではほかに、餅つき(なくなり次第終了)、模擬店、フリーマーケット、ステージ発表会を予定する。開催時間は10時~15時20分。