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「ラ・フォル・ジュルネびわ湖2013」来場者3万7千人超に-過去最高

「ラムルー管弦楽団」でカルイさんが、客席の手拍子を小さくするようにと指揮を執る様子

「ラムルー管弦楽団」でカルイさんが、客席の手拍子を小さくするようにと指揮を執る様子

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 滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」(大津市打出浜)で4月27日~29日、「ラ・フォル・ジュルネびわ湖2013」が開催され、過去最高3万7589人の来場者でにぎわった。昨年よりも6500人余りの増加となった。

「熱狂の日」最終日記者会見の模様

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 最終公演の「フェイサル・カルイ指揮『ラムルー管弦楽団』」では、オーケストラを波のように動かす指揮が観客を魅了した。予定していた3曲の終了後、アンコールで「ビゼーの『カルメン組曲第1番前奏曲』」を演奏し、カルイさんが客席の手拍子の指揮も執り、場内が一体となり終演。

 同公演の会場から出てきた京都府の矢島綾子さんは、大阪府の辻比呂子さんを誘い参加。「昨年は好きなロシアがテーマだったのもあり参加したが、とてもよかったので今年も参加した。昼からずっといたが、ロビーでの無料コンサートの雰囲気もよく、みんなで楽しめた。来年も来たい」と感動の面持ちで話した。

 最終日の記者会見には4月に就任したびわ湖ホール理事長の山中隆さん、アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンさん、同プロデューサーのKAJIMOTO社長の梶本眞秀さん、滋賀県の嘉田由紀子知事が出席した。

 山中理事長は「今回で4回目の同音楽祭は県民の連休行事として定着した。近隣の住人も会場周りの清掃を行ってくれた。県内の参加者は昨年の45%から73%に増加し、特に子連れや30代の女性の増加が目立った。昨晩行った出演者のパーティーでも、ホールの響きとびわ湖の景色の素晴らしさはなかなかないと好評だった」と話した。

 嘉田知事は「今回は2つのプラスがあった。一つ目は、守山市・彦根市がプレイベントを行い、広がりができたこと。2つ目は、キッズ・プログラムが充実したこと。同プログラムでは、0歳児の父母に対して子どもの泣き声も音楽の一部だから、気兼ねせずに楽しんで、明日からの鋭気を養ってほしいと訴えた。不思議にもマリンバやティンパニーの演奏が始まると子どもが泣きやんだことに感動した。子どもは社会の宝、一流の音楽と自然を暮らしの中に取り入れてほしい」と話した。

 音楽祭が与える日本人の精神面への影響についての質問に対し、マルタンさんは「クラシックは豊かさと『聴く力』を与える。PAを通さないため、沈黙の中で音楽を抽象的に捉える。小さいころから触れていると『聴く』素質を身に付け、音楽を聴く子は先生の話を聴く。また、音楽は一人じゃない。楽しい時も悲しい時も支えてくれる。モーツアルトやシューベルトが友人となる。お金で買えない世界共通の豊かさであり、美しい風景を見る時の感動にも似ている。音楽は普遍的な言語である」と熱く語った。

 梶本社長は「今の若い人は、コンピューターで生活し、コンビニエンスストアで買い物をし、人と接しなくても生きていけるため、悲しい事件も起こっていると思う。音楽祭では『いい音楽だったね』と音楽を共有しニコニコし合える。誰も隣にいる人を傷つけたいとは思わない。人生を共有することができる仲間ができることは、今の社会に重要な役割を果たす」と続いた。

 マルタンさんは終わりに「フランス音楽の傑作をお届けできた。日本人はフランスが好き。スペインの音楽が受け入れられたことで、好奇心が旺盛なのだということが分かった。同音楽祭は文化交流につながっている」と話した。

 来年は、同音楽祭開催フランス20周年、東京10周年、びわ湖5周年の佳節を迎える。それぞれの都市で共通するものをテーマに開催予定。

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