大津のギャラリーで「戦中学級日誌」公開展示-作者4人によるお話し会も

191枚目は1945年3月19日、終業式の前日に書かれた日誌である。「にくらしきB29」と添えられた真っ黒な機体が象徴的だ

191枚目は1945年3月19日、終業式の前日に書かれた日誌である。「にくらしきB29」と添えられた真っ黒な機体が象徴的だ

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 ギャラリー「ギャルリーオー」(大津市中央1、TEL 077-521-4515)で68年前に小学5年生の生徒たちが書いた「戦中学級日誌」191枚の企画展示が7月30日、始まった。

生徒たちが毎日放課後に書いた191枚の「戦中学級日誌」。子どもたちの自由な発想の中に戦時下の日本の姿が垣間見れる

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 「戦中学級日誌」は今から68年前、太平洋戦争末期の1944(昭和19)年4月、瀬田国民学校五年智組で故西川綾子教諭(当時27歳)の勧めに応えた児童6人によって始まった。半紙に水彩絵の具で描かれた日誌は191枚。その日の出来事や感じたことが子どもたちの自由な発想で描かれているが、戦況悪化とともにB29や学徒出陣の様子など当時の社会情勢も描かれる。

 終戦を迎えた1945(昭和20)年、GHQにより9月に発せられた「プレスコード」によって戦前・戦中の日本を肯定する媒体や一般市民発行の本に至るまで厳しく取り締まられた。当時の状況を考えると、この「学級日誌」も没収、廃棄の可能性が高かったと思われるが、西川教諭が自宅に持ち帰り保管したため難を逃れた。現在は大津歴史博物館で大切に保管されている。半紙に書かれた現物は劣化し直接手にすることはできないが、データ化されパネル展示される。

 各地での展示会活動に携わる南大萱資料室の國松巖太郎さんは「『土に親しみ、作物の成育をよく観察して記録しなさい』という矢嶋正信校長の影響を受けた西川先生の指導の下書かれた素晴らしい日誌。子どもたちが物事をよく観察していた様に驚かされる。子どもたちが感じていた日常の中にあった『戦争』を伝える貴重な資料でもある」と語る。

 日誌の展示のほか、8月3日には作者4人を招いてのお話し会も開催する。ギャラリーオーナーの加藤晶子さんは「子ども時代を過ごした長崎では学校教育の中で平和を考える機会が多くあった。展示会、イベントを通して、今の時代がいかに平和であるか、見てほしい、聞いてほしい、感じてほしい」と開催への思いを語る。

 開催時間は10時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。8月4日まで。イベント「五年智組のお話し会」は8月3日、13時から開催。入場無料。また、8月2日14時からはギャラリーカフェコーナーで「元日本兵、償いの『語り部』」として有名な故平野喜三さんの経験を紹介する紙芝居「満州は証人」を「ま~おばちゃん」こと沖村まいはさんが行う。

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