守山の近江牛ホルモン専門店「焼肉　結～むすび」（守山市守山1、TEL 077-582-3288）の近江牛を使ったメニュー「今宵（こよい）限り盛り」（4,980円）が、提供開始以来1年半にわたり注文率が50％を超えるロングヒットを記録している。

店主の中島浩平さん

　2009年7月のオープンから5年目となる同店。今年4月、播磨田町から銀座商店街へ移転して8カ月がたった。席数は40席で、木の風合いを生かした温かみのある店内が特徴。

　店主の中島浩平さんは滋賀で生まれ、高校卒業後、自衛隊を4年経験。食のあり方に疑問を感じ、大好きな沖縄県西表島へ移住。イノシシを捕獲・調理した経験が「命を頂く」という意識に目覚めるきっかけになったという。その後、オーストラリアのワイナリーで働いたことから店にはワインセラーも設置している。「ファミレスやファストフード店とは違い、『明日も頑張ろう』と思えるごはんを作りたい」と思ったのが原点。「頑張っている人を応援したい。命の原動力に」とも。きちんと「ごちそうさま」と言えた子どもにはデザートをサービスすることもあるほど、「損得勘定ではなく、楽しんでもらいたい」と、まっすぐな目でほほ笑む。

　「滋賀には『近江牛』といういいものがあるが、高くて食べたことがなかった」と中島さん。「安いものが安いではなく、良いものが安い」をモットーにA4・A5ランクの最高級近江牛を独自の仕入れで提供する。名物料理となった同メニューは「おすすめの部位をおいしく食べてもらえるようにちゃんと用意しておきたい」という思いから、電話注文後に来店した客には3,900円（現金のみ）で提供する。

　もつ鍋も提供していたことから、客から「もつラーメン」のリクエストを受け、「ホルモンラーメン」（680円）も用意。移転から1カ月後には大津の有名店で修業していた友人の協力を得て、「麺屋　結」を昼間にオープンし、「鶏そば」（650円）などの2種類の味のメニューを提供している。

　「インターネットで近江牛のおいしい店を検索して、この店に来た」と言う東京から仕事で来ていた男性グループは「銀座で店を出したら必ず繁盛する」と絶賛。中島さんが「ここも『銀座』です」と呼応する一幕も。客との会話を大切にし、「地元の人も気軽に来られる価格に」と考える中島さんの人柄にリピーターも多い。

　営業時間は18時～23時（金曜・土曜・日曜・祝日は17時から）。「麺屋　結」は11時30分～14時。月曜定休。現在、近江牛忘年会コース（飲み放題付き）（90分、1人5,000円）も受け付けている（要予約）。