西武大津店(大津市におの浜2)が11月14日、5階・インテリアゾーン改修を終え全館グランドオープンした。
18年ぶりの大改装となった今回。30代~40代の子育てファミリー世帯を新重点ターゲットに親世帯への広がりも期待する。当日は先着500人に「叶 匠寿庵」の紅白饅頭(まんじゅう)が進呈され、開店前から同店を2重、3重に囲む行列でにぎわい、来客数は130%増に上った。
今年2月、プロジェクトチームを立ち上げて店内アンケートや週1回の会議などを重ねてきた同店。前年度以上の売り上げを目標としたが、県内百貨店の売り上げは京都の10分の1という現状に。来店頻度を高めるためには県外に出るまでもなくトータルで上質な暮らしを提案できればという方向性に至った。
第1期として9月から始めた改装総額は7億円。「小さな子どもがいても買い物を楽しみたい」という多数の声を基に5階の子どもゾーンの全面刷新に最も力を入れた。ベビー用品がトータルそろう「アカチャンホンポ」の出店など売り場・商品が新しくなっただけでなく、子育て支援施設「育(はぐ)ママセンター」も設置し、親子トイレや休憩所、絵本などの読書コーナーや知育おもちゃなどの遊び場といった無料サービススペースを拡充。琵琶湖ホールや地元大学生などとの連携による子ども向けのイベントなど文化的機能も備えた。
6階にあった「無印良品」は婦人服だけでなく、紳士服・子供服を加え、トータルファミリー衣料として品ぞろえを豊富にし、1階へ移設拡大。家族で気軽に立ち寄れるようにし、もともとあった靴・バッグ売り場を別館の立体駐車場の2階出入り口付近へ移設。全体的に扱うブランドや品ぞろえもよりターゲット世代を意識して総入れ替えした。
1階食品売り場も百貨店初出店の同市雄琴の料亭「懐石 清元」をはじめ、クオリティーの高い地場産品を積極的に取り入れた。第4期のインテリアゾーン改装では、初登場の北欧インテリア雑貨「イルムス」やフランス発祥の「セーブル」など上質な暮らしの品ぞろえを拡充した。
販売促進課広報担当の濱野晃嗣さんは大阪から転勤して7カ月になる。「今まであまり見なかった子ども連れの母親の姿をよく見るようになった。不採算にチャレンジした。廃止を考える悪い所にあえててこ入れし、不平・不満を解消することに成功した。品ぞろえにも関わったが支持されてよかった」と笑顔を見せていた。「毎日来ていただける店にしていきたい」と来店を呼び掛ける。