ピエリ守山(守山市今浜町、TEL 077-584-1000)は12月17日のリニューアルオープンを前に、同15日に内覧会を開いた。
同施設は2008年9月のオープンから間もなく、隣接市への競合モール出現、リーマンショックによる経営破綻などの影響を受け、集客や店舗の売り上げが減少し撤退する店舗が相次いだ。店舗が存在する限り照明や空調を止めるわけにいかず、「明るい廃虚」とインターネットで話題となった。
2013年6月、現在のサムティが同施設を買い取り、双日商業開発が運営会社として再生を図った。H&MやZARAなどの外資系ファストファッションブランドが都市部での展開が落ち着き、郊外大型店舗を探していたため声を掛けたところ「面白い。他に追随できないものになる」と好感触を得て出店が決まったという。今年2月には完全閉店し、リニューアル工事を行ってきた。
基本商圏は車で20分圏内、外資系店舗への集客としては県全域を設定し、年間150億円の売り上げと650万人の集客を見込んでいる。アクセス改善のために、琵琶湖大橋を渡って最寄りのJR堅田駅からの路線バスを3年ぶりに復活させたほか、車の渋滞解消のため近隣の土地を駐車場として確保した。
リニューアルコンセプトを「琵琶湖パワースポット」と掲げ、「パワーアップリニューアルで元気を提供できる施設」を目指す。郊外型モールでは国内最大級の店舗面積となる外資系を中心としたファッションブランドの集結、外資系や熟成肉など人気飲食店の導入、食品スーパーと大型店舗による訴求とともに、ヤングファミリーをターゲットにキッズスペースを多数設けたフードテラスの設置、ライフスタイル型店舗の導入を図った。新たにフットサル場とバーベキュースペース、アスレチックランド、地元企業による室内動物園「めっちゃ触れる動物園」を設置するほか、施設ファンの創出のためにハウスカードの導入、ホールでの音楽などのライブや湖畔の公園を拡充することによる屋外イベントや催事など、地元との連携にも取り組む。
県内最大級のショッピングモールである同施設。エントランスを5カ所に増設し、目的の店舗に行きやすいよう整備した。1階はメーン動線を2本、2階は3本に追加し、回遊性を追求した。天井各所からはイメージキャラクターの光宗薫さんのビジュアルがつり下げられ、エントランスの中央周辺では核となるH&Mなど外資系ファストファッションショップが出迎える。
出店する140店舗の中には、クリスピークリームドーナッツやソフトプレッツエルを販売するアンティ・アンズなど、米国からの上陸当初は長蛇の列で話題となった店舗、撤退から再上陸を果たして7年となるバーガーキングなどがあり、にぎわいが予想される。関西初出店が10店、滋賀初出店が42店あり、県内人気スポットとしての復活が期待される。
サムティ不動産事業部の大川二郎さんは「ピエリはびわ湖のロケーションが良く建物も素晴らしい。ポテンシャルがある」と期待を込める。同社開発事業部の内田隆志さんは「『ピエリ』という名前はクルージングモールとしての意味で継承することにした。動物園も『こんなんないやん』と言える体験型にしてみた」と意欲を見せる。双日商業開発社長の近藤哲生さんは「埼玉で同規模のショッピングモールの運営にも成功した。日本有数のショッピングモールへのチャレンジに成功する自信はある」と意気込み、同社ピエリ守山総支配人の山崎和義さんは「ネットでの評判も応援としていきたい。地元から多数の期待の声を頂いているので、競合があっても共に来ていただければ」と呼び掛ける。
営業時間は専門店・フードテラス=10時~21時、レストランパーク=11時~22時。オープン当日は9時35分より、オープニングセレモニーとして地元の和太鼓や保育園児による演奏などが行われる。