滋賀出身のT.M.Revolution・西川貴教さんが、滋賀県公館(大津市京町4)と草津市役所を表敬訪問し、昨年開催した「イナズマロックフェス」の収益の一部を寄付し、今年の開催日を誕生日の9月19日・20日と発表した。
同フェスは西川さんが発起人となり、琵琶湖の水質保全と地域振興をテーマに掲げ、2009年より草津市烏丸半島で開催している県下最大の大型野外ライブイベント。昨年はフリーエリアを含めて2日間で過去最高動員となる約10万人の観衆が訪れた。
西川さんは県公館で、三日月大造県知事に250万円とチャリティーオークション38万6,323円の目録を手渡した。三日月知事は「イナズマフェスには毎回参加している。『今このままでいいのか。できることはないのか』というメッセージをもらっている。同世代なので共に新しいまちづくりをしていきたい」と述べた。西川さんは「県外からの参加も多く、ありがたく思うと共に、県民みんながつながっている、参加していると言えるものになれば。県全体を強化していけば、おのずと他県よりも明るく活気づいていくと思う。10回目の節目へ向かってのカウントダウンとして大成功させたい」と意欲を見せた。
続いて、2013年より取り組む「近江米プロジェクト」に携わる湖南農業高校と長浜農業高校の生徒らとも交流した。「近江米プロジェクト」は、県外来場者が多い「イナズマロック フェス」の特性を生かし、滋賀県の魅力を県内外へ広くPRしようという試み。昨年は滋賀県産の新品種「みずかがみ」の栽培に、フェス公式キャラクター「タボくん」と地元の農業高校生が初めて取り組んだ。タボくんと高校生たちの育てた米は、同フェスで販売するカレーライスの米として提供されたほか、全国規模で開催される消費者の食べ比べによる米の品評会でも優秀な成績を収めており、近江米新ブランドの認知に貢献している。
草津市役所では橋川渉市長に50万円の寄付金の目録が手渡され、市長は「音楽を通しての恩返しありがとう。びわ湖・草津市の環境のために大切に使わせていただきたい。地元の一大イベントとして全国から来てもらえるようになった」と感謝を述べた。西川さんが「インフラの充実のために『イナズマ専用道路』や2日間の参加者のためのキャンプ場を作ってはどうか」と提案したところ、市長も「前向きに検討する」と答える一幕もあった。西川さんは「イナズマの開催が誕生日になり、故郷滋賀で迎えられることが本当にうれしい」とほほ笑んだ。