自律搬送ロボット「AI-MHOS(アイモス)」の実走実験が12月12日、大津赤十字病院(大津市長等1)で行われた。
AI-MHOSは、アーストレック(大阪市)が開発した医療施設の搬送に特化した自律搬送ロボットで、マッピングされたポイントをプログラミング通りに走行する。エレベーターや自動ドアとも連携し、人が近づくと障害物センサーが作動して自動停止する。
実走実験当日は、同病院内を一体型のAI-MHOS A-01と分離型のAI-MHOS C-03が走行した。来院した患者や見舞客は院内を走行するロボットに興味を示し、モニターに目が写るC-03を見かけた子どもがロボットに手を振る姿も見られた。来院した親子は「病院にロボットがいると心が和む」と喜んだ。
A-01は、セキュリティータイプで、検体などを入れて指紋やIDカードでロックをかけることができる。C-03は薬品キャビネットやオープンワゴンなど用途に合わせて装着する棚を変えることができる。棚の着脱も自動で行う。
アーストレック社長の原田智樹さんは「医療従事者が物を運ぶ仕事から解放され、患者と向き合うなど本来の力を生かすために、世界各国では医療現場への搬送ロボットの導入が進んでいる。日本は廊下が狭いなどの問題があり、導入が進んでいないが、日本向けに小型化したロボットを開発した」と話す。
病院内での実走実験は今回が初めて。原田さんは「本格導入に向けて医療従事者に見てもらうことも目的だが、もう一つの目的はロボットの社会受容の獲得。レストランに配膳ロボットがいても驚かなくなったように、病院にロボットがいることが当たり前になることを目指している」と話す。