小学生向けのネットリテラシー講習が1月31日、仰木小学校(大津市仰木4)で開催された。
月の輪自動車教習所(大津市月輪)の教習指導員の河村将太さんと山本拓也さんが講師を務め、オンラインゲームやスマートフォンの利用時に必要なリテラシー(正しく読み解き、活用する力)について講義した。
31日は、3時間目に小学5年生11人が、4時間目に6年生10人が、それぞれ受講。「フェイクニュースを見抜けるか」についてクイズをした後、山本さんが「情報がSNSで拡散されるようになり、昔より早く、広い範囲に届くようになった。フェイクニュースも広がりやすくなった。上手に使いこなすスキルが必要」と話した。
河村さんはオンラインゲーム利用時のトラブルについて講義。2022年、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録されたオンラインゲームの相談のうち、契約当事者が小中高生である相談件数は4024件で、うち49%が小学生だったことや、請求額の平均33万円で、100万円以上の相談もあったことを話すと、児童たちから驚きの声が上がった。
児童は各自、トラブルに巻き込まれないようにゲームを楽しむ方法を考え、発表した。河村さんは「ネットでは皆さんをだまそうとする人もいる。もしかしたらと考えることが大事。正しく使って楽しんでほしい」と伝えた。
山本さんはスマートフォンを使うときの注意点について講義。児童たちに「SNSと直接話すのではどんな違いがあると思うか」と投げかけると、「相手の表情が見えるかどうかが違う」と応じていた。山本さんは誤解を招きそうなやり取りを紹介し、「感情が分からないことで誤解が生まれ、うまく伝わらないことがある。国語の勉強はとても大事。文字を読んで人の感情を知ることや、相手の気持ちを考える練習になる」と話した。
講習を受けた小学5年の児童は「ネットを使うときは相手がどう思うか、しっかり考えて行動することが大切だと思った」と話す。
同教習所が配信するティックトック「だつりん先生」は16万人を超えるフォロワーを持ち、再生回数は累計2億回を超えている。SNSを通して伝える難しさや危険を体感したことから、大津市内の中学校、高校でSNS講習を実施してきた。小学生向けの講習は今回が初めて。同校校長の井上賢さんは「小学生にも知らないが故のトラブルが増えている。そのまま中学生になるともっと大きなトラブルになるかもしれないので、その前に知ってもらいたいと思い、講習を依頼した」と話す。
同教習所デジタルマーケティング部の越光航平さんは「SNSを禁止するのではなく、安全に活用する方法を子どもたちに伝えたい。交通安全教育で培った経験を生かし、子どもたちがデジタル社会で安心して成長できる環境を整えることを目指している」と話す。