
第40回滋賀県水産物加工品品評会2次審査が2月18日、コラボしが21(大津市打出浜)で開催され、魚重産業(逢坂1)の「本もろこ山椒(さんしょう)煮」が農林水産大臣賞に選ばれた。
品評会は、滋賀県水産加工業協同組合が琵琶湖の魚介類の消費拡大と水産加工技術の向上を図ることを目的に1985(昭和60)年から毎年開催。2月4日に1次審査が行われ、つくだ煮類63品、なれずし類10品、その他加工品21品、次世代食育部門8品の102品の中から38品が2次審査に進んだ。2次審査では9人の審査員が味や香り、見た目の美しさなどを審査し、魚重産業の「本もろこ山椒煮」が最高賞の農林水産大臣賞に選出された。
魚重産業の今井崇人さんは「日頃から、どうやったら琵琶湖の魚をおいしく食べてもらえるか考えている」と話す。受賞した商品は、琵琶湖のホンモロコを甘辛く炊き上げた。京都の料亭で修業した今井さんは「教えてもらった味に改良を重ねて、甘口であっさりとした味付けに仕上げた」と話す。
魚重産業では琵琶湖のコアユを使った商品も提供しているが、今井さんは「アユは例年の3割程度。アユの稚魚のヒウオに関しては、養殖に回す分も足りず、今年は食用のヒウオはほとんど出回っていない。原材料が少なく、求められても作ることができず加工業者は苦しい状態。できる商品を考えて作っていきたい」と話す。
審査員長を務めた滋賀県漁業協同組合連合会専務理事の澤田宣雄さんは「今シーズンはまれに見る不漁で過去最悪と言ってもいいほど。コアユは去年からの不漁で2次審査にもコアユの商品はなかった。厳しい状況だが、春以降、漁獲量が回復することを願っている。琵琶湖の魚を県内外の人に届けるためには加工品はなくてはならない物。作り続けて未来につなげてほしい」と激励した。
品評会では13品が受賞し、水産庁長官賞には松田魚伊商店(西の庄)の「炭火焼きうなぎ」が、滋賀県知事賞にはやま重(草津市青地町)の「鯉旨煮(こいうまに)」がそれぞれ選ばれた。2024年は百貨店で受賞品の即売会を開いたが、原材料の不足から今年は行わない。