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比叡山坂本にカフェ「穴太商店」 自家栽培の米を使ったスイーツやパンなど

「地元の人に愛される店にしたい」と店長の宮内樹里さん

「地元の人に愛される店にしたい」と店長の宮内樹里さん

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 米を使ったスイーツやパン、甘酒を提供するカフェ「穴太(あのう)商店 本店」(大津市坂本4)が7月18日、京阪電気鉄道 比叡山坂本駅近くにオープンした。

社長の戸波さんは穴太衆の穴太頭の末裔

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 店舗面積は60平方メートル。席数は20席。甘酒を使ったソフトクリームやパフェ、米粉パン、米を飼料にして育てた鶏の卵で作ったプリンやカヌレ、バタフライピーで青色に色付けした甘酒の琵琶湖ブルーラテなどを提供する。運営会社の穴太ホールディングス(千葉県木更津市)は、「田んぼからでるもの、ぜんぶ」を合言葉に、グループ会社内で米の栽培、精米、甘酒の製造などを行っている。店内ではもみ殻から作った燃料「モミガライト」や甘酒、米ぬか化粧品も販売している。

 社長の戸波亮さんは「米の栽培を始めて、廃棄物がたくさん出ることに気付いた。米は精米して1カ月ほどで味が落ちるので、その米で甘酒を作った。甘酒を無駄にしないためにソフトクリームを作り、販売するようになった。くず米を飼料にして鶏を育て、生んだ卵をプリンにして販売している。大量に出るもみ殻は『モミガライト』という燃料にしている。廃棄物を出さないために事業を立ち上げた」と話す。

 戸波さんは、自身が比叡山延暦寺や安土城、大阪城などの石垣を築いた石工集団「穴太衆」を率いた「穴太頭」の末裔(まつえい)であることから、社名に「穴太」の名を入れ、穴太積みの石垣が残る比叡山坂本に本店を出店することにこだわったという。日吉神社の参道の空き店舗を改装し、オープンさせた。店内には穴太衆の歴史を紹介するパネルを展示する。「私は石工から遠く離れた事業をしているが、米の特色を積み上げて石垣にして、『穴太積みの心を売る』ことを大切にしている」と戸波さん。「廃棄物を出さないようにすれば利益率も上がる。ここをモデル店舗にして展開していきたい」と意気込む。

 営業時間は10時~17時。火曜定休。

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