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大津市在住の宮島未奈さん「成瀬」シリーズが完結 「成瀬は都を駆け抜ける」

「成瀬」シリーズ完結編を出版した宮島未奈さん

「成瀬」シリーズ完結編を出版した宮島未奈さん

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 大津市在住の宮島未奈さんの小説「成瀬あかり」シリーズの完結編「成瀬は都を駆け抜ける」が12月1日、刊行された。

「成瀬あかり」シリーズ最新作で完結編となる「成瀬は都を駆け抜ける」

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 2024年本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」から続くシリーズの3作目で、完結編。京都を舞台に、京都大学に進学した主人公・成瀬あかりが新しい登場人物と出会い、「成瀬らしく」立ち振る舞うことで、結果として周りの人を救っていく。四六判、240ページ。価格は1,870円。

 宮島さんによると、当初は2作目以降の執筆を予定していなかったという。3作目の舞台を京都にする方針は読者の反響を受けて執筆した2作目「成瀬は信じた道をいく」の執筆時点で固めた。2作目までとは異なり3作目は全体の構成を組み立ててから書き進め、大まかな流れを事前に明文化した。「全6話の連作短編だが長編としての一貫性を強める意図があった」と話す。

 自身も京都大学出身の宮島さんが学生時代の経験を踏まえつつ現地取材を重ねた。

 物語の最後の舞台は琵琶湖疏水。琵琶湖疏水は、滋賀と京都を結ぶ重要な歴史的水路であることから、成瀬の歩みの総括となる場面にふさわしいと判断した。

 最後に執筆したのは、成瀬あかりの母親の視点で物語が進む4話目「そういう子なので」。「家族それぞれの視点が3巻でそろう形となり、『成瀬が成瀬である理由』を示す作品となった」と宮島さん。「3作を通して読むことで作品への理解が深まる。特に3作目読了後に1作目を読み返すと、今までと違う見え方になるはず」と話す。

 2019年から2024年までの同シリーズ執筆期間は、作家としての転換点でもあったという宮島さん。「主婦としての生活の上に小説家という仕事がのっている感覚だった」と振り返り、今後については「健康を最優先に、無理のない範囲で執筆活動を続けたい」と話す。

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