元阪神外野手で野球評論家の赤星憲広さんが寄贈した車いすが12月より、社会保険滋賀病院(大津市富士見台)の病棟で使用されている。
赤星さんは現役時代から盗塁数に応じて全国の病院や福祉施設に車いすを寄贈してきた。これまで寄贈した車いすは301台。一昨年の12月に現役引退したが、その後も赤星憲広の輪を広げる基金「Ring of Red」を設立し活動を続け、全国から寄付を募り昨年末に47 台の車いすを北海道から沖縄までの病院や福祉施設に寄贈した。
同病院の病棟で勤務する看護師の將木(まさき)伸子さんが3年前にこの活動を知り、「入院患者が多く院内に少しでも車いすが増えればありがたい」と応募したのがきっかけ。2年間は当たらず赤星さんも現役を引退したためあきらめていたところ、同基金のホームページで紹介されていた。勤務している病棟には子どもも多く入院するため、今回は小児用の車いすを希望し応募したところ、昨年末に当選の連絡を受けたという。「驚いたが本当にうれしかった」と將木さん。
寄贈されたのは現役時代にレッドスターと呼ばれていた赤星さんにちなんで赤色の車いす。背もたれの部分に「勇気」というメッセージとサインが書かれており、「病棟では手術に向かう子どもを搬送する時に利用し患者の皆さんを励ます宝物になっている」という。