大津出身でパリ在住のクラシック・ギタリスト松本大樹さんが現在、故郷の大津でリサイタルやライブを行っている。
松本さんは、大津市真野で生まれ育ち、大津高校1年生の時に両親が使っていたギターを押し入れで発見したのをきっかけに、ピアノからギターに転向。京都の西垣正信さんのギター教室に通い、同氏が教授を務める高松短期大学へ進学。2005年、滋賀県文化振興事業団主催のザ・ファーストリサイタルオーディションに合格し、リサイタルを行った後、ギタリストを目指しフランスのニース音楽院へ留学した。特別表彰を得て卒業後も奨学生として難関のパリ国立高等音楽院へ進み、主席で卒業。スペインやイスラエルなど数々の国際コンクールでの入賞歴を持つ。2011年には第1回の県次世代文化賞を受賞し、2013年のラ・フォルジュルネびわ湖でもコンサートに参加した。
現在は、大学院生をしながらパリ郊外でギター教室の講師も務める。要請を受け、パリでコンサートも行い好評を博している。松本さんは「人間性が作曲や演奏に出る。クラシック音楽の伝統を守ると共に、フランス独自のテクニックを学びたくてフランスに住み、空気や食べ物も実感しているところ」と目を輝かせる。「フランス音楽が好き。例えるなら『もやっ』とした感じ。絵画など芸術は全般的に共通していて、色の世界で混ざり合っている感じがする」とも。
9月17日には、「びわ湖 庄や」浜大津店でランチタイムライブを行い、「食べながら聴いてください」と声をかけながら3楽曲披露。チャージなしのライブに偶然居合わせた人たちが耳を傾けていた。
「クラシックを一切聴いたことがない人も深く考えず、感じてもらえれば。エンターテイメント化しつつあるクラシックの本当の良さを伝えたい」とリサイタルへの意気込みを語る松本さん。
9月20日のリサイタルは前半40分、後半40分で行われ、バッハなどのヴァイオリンの楽曲を自身で編曲を手掛けたものやピアノソナタのほか、スペインのギター楽曲とヴァリエーションを持たせたプログラムを演奏する。中でもロドリーゴの難曲「トッカータ」にも挑戦する。
同リサイタルは、しがぎんホール(大津市浜町1)で5年ぶりに開催するという。14時開演。料金は、一般=3,500円(しがぎん友の会=3,000円)、学生=2,000円。