新学習船「うみのこ」の試乗航海が6月1日、大津港(大津市浜大津5)で開催された。
滋賀県は、1983(昭和58)年から学校教育の一環として県内すべての小学5年生を対象に「びわ湖フローティングスクール」を実施。船の老朽化により、2016年から新船の造船に取り組んでいた。工事の遅れにより、当初の予定より約1カ月遅れの完成となった。
4日の初航海に先立ち、「うみのこ」の見学会と試乗航海が実施された。滋賀県の職員や議員、報道関係者約60人が参加。びわこフローティングスクール指導主事の説明を受けた。
新しく導入されたのは、学習用タブレット、電子黒板、水中カメラ、デジタル顕微鏡など最新の学習機器。船内は無線ランでつながれ、児童がデジタル顕微鏡で発見したプランクトンや、撮影した写真をタブレットや電子黒板に映すことができる。
指導主事の山村豪さんは「今までの顕微鏡だと1人しか見ることができなかったが、タブレットにつないで皆で見ることができる。データにしてUSBで持ち帰ることもできるので、学校での事後学習に使える」と話す。
「水中カメラは停泊中の港で湖底の生き物の観察に使用する。魚が泳ぐ姿や貝が歩く様子を見ることができる」とも。
一方的な授業ではなく、タブレットなどを使って、子どもたちが調べたいことを主体的に学ぶことが目的。タブレットで写真や顕微鏡の画像を入れて発表の資料を作り、学習室のモニターに映して発表することで、学んだことを皆で共有できる。
指導主任の木下皓司さんは「学習がフローティングスクール当日だけで終わらないためにデジタル機器を導入した。生物、水、暮らしを学び、琵琶湖を守る学習をしてほしい」と話す。