風力発電施設「くさつ夢風車」(草津市下物町)の解体が始まり、1月28日、ブレード(羽根)が取り外された。
総事業費3億円で、2002年から稼動。隣接する水生植物公園みずの森に電力を供給することを目的にしていたが、見込みより風力が少なく、2007年から発電量換算額が維持管理修繕費を下回る。故障が続き、2015年4月より発電を停止していた。停止中も風を受けて壊れないように電力を送って管理する必要があり、2017年度の維持管理費は約980万円。草津市が同年に廃止を決定していた。
昨年、解体準備を始め、28日にブレードの取り外しが行われた。3枚の羽根の中央部分に巻き付けた4本のロープをクレーン車で引き上げ、もう一台のクレーンで羽根を引っぱり、水平にしてみずの森駐車場に下ろした。解体作業を見ようと近隣施設の職員や市内の写真愛好家が集まり、カメラを構えた。
みずの森スタッフの石川光美さんは「働き始めた頃には風車は止まっていたが、目印になっていた。今日は羽根の取り外し作業を写真に撮るために朝からスタンバイ。5時間以上待って、やっと撮影できた。羽根のない風車は不思議な感じがするが、きっとこの景色にもすぐに慣れると思う」と話した。
草津市の男性は「烏丸半島のハス池と風車の写真を撮るのが好きだった。2016年にはハスも消滅し、風車もなくなる。少し寂しい」と話した。
風車は支柱部分を残して、モニュメントにする予定。