Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは7月1日、U15(15歳以下)チーム所属選手をNBAダラス・マーベリックス主催の育成キャンプに派遣することを発表した。
未来のNBA選手を育成することを目標に、高穂中学3年の南口直樹選手と堅田中学2年の石原海翔選手の派遣を決めた。2選手は同年代のレベルが高い選手が参加する「デベロップメントキャンプ」にも参加する。
滋賀の根間洋一育成ディレクターは「10年以上県内でバスケットスクールを運営し、たくさんの子どもたちに技術だけでなく夢や希望を提供してきた。リーグの中でも育成部門でリーダーシップを取り、将来トップチームで活躍する選手を育てていきたい。U15を強化するため、育成年代の選手が海外に行き、肌で感じることが望ましいと考えた。2選手は、1週間という時間の中で日本との違いを感じてもらいたい。人から聞いたり映像で見たりするだけのNBAではなく、実際に肌でリアルに感じることで、自分の将来の指針となるものを見つけてもらえれば」と話す。
2人を選んだ理由は、「育成年代は受け身な子が多いが、2人は意欲があるから伸びている」と話す。
自身も中学3年の夏休みに渡米しサマーキャンプに参加し、メリーランド州モントローズ・クリスチャン高校に進学した滋賀の伊藤大司選手が2選手のサポートをするために帯同する。伊藤選手は「中学3年の時に1カ月間アメリカに行き、もちろん技術レベルの違いも感じたが、一緒にプレーしている選手の『絶対に負けない』『この場所でナンバーワンになってやる』という強い気持ちを感じた。日本では味わえなかった独特な空気感を味わえた。その1カ月間でさらに高校からアメリカに行くことが楽しみになった。当時、『NBAに行く』という気持ちをさらに奮い立たすことができた」と振り返る。
伊藤選手は南口選手と石原選手に「2人にはアメリカならではのハングリーさや独特の空気感を味わってほしい。もしかしたら挫折を味わうかもしれないが、それは行った人にしか味わえない経験だと思う。行って感じるものがたくさんある。2人はしっかり肌で感じて、バスケット選手としても人間としても財産にしてほしい。この先アメリカに留学して、八村塁選手のようにNBA選手になってくれたらうれしい。そのためにも1週間楽しみながら自分をアピールして頑張ってほしい」とエールを送った。
南口選手は「本場の人たちと一緒にプレーして、充分にパワーアップして帰って来たい。将来はNBA選手になって、チームのエースになりたい」、石原選手は「自分がどこまで通用するか感じて、通用しなかったことは日本で修正したい。将来はNBAでプレーして、日本でも注目されるような選手になりたい」と、それぞれ意気込みを話す。
滋賀レイクスターズによると、Bリーグでチームが費用を負担し、U15選手をアメリカに派遣するのは初めて。西村大介社長は「U15チームの強化が目的ではなく、本気でNBA選手を輩出しようと思っている。将来的にはU15選手に英会話レッスンもしたい」と話す。