滋賀県は3月24日、新型コロナウイルス感染症対策サイトを立ち上げた。
滋賀県は、東京都が開発したOSS(オープンソースソフトウエア)をベースに滋賀県のコロナ対策サイトを企画。県内の有志のエンジニアが意見を出し合い構築した。滋賀県情報政策課課長の萩原良智さんは「エンジニアでないと分からないことが多く、県内のエンジニアに声を掛け、十数名の有志の方に協力していただいた」と話す。
サイトには滋賀県内の陽性患者数、患者の属性、県主催の中止または延期するイベント情報、三日月大造県知事からのメッセージ、LINE公式アカウント「滋賀県新型コロナ対策パーソナルサポート」についてなどを掲載。
サイトのコーディングは立命館守山高校3年生の伊藤祐聖さんが担当した。伊藤さんは小学生の頃からプログラミングをはじめ、大阪府高槻市のCoder Dojo(コーダー道場)に通っていたときにITを活用して地域の課題を解決するコミュニティー「コードフォークサツ」の活動を知る。伊藤さんは「自分の技術を使って何を作ろうかと考え、町のためになるものを作ることにした」と栗東市のゴミ分別アプリ「5374滋賀県栗東市版」を開発する。
県内のエンジニアの間では「将来有望な若手」として一目置かれる存在に。コロナ対策サイトの立ち上げにも声が掛かり、自宅のパソコンを使い、5時間ほどでコーディングした。伊藤さんは「県の公式サイトを県民と一緒に作ったことは、シビックテック(IT資源のテクノロジーを活用して地域の課題を解決する取り組み)の活動として大きな意味がある」と話す。
コロナ対策サイトについては「まだ必要な情報が全て載っているわけではない。いろんな立場の人からこんな情報がほしいという意見をもらえれば、皆で相談して修正していく。僕よりも技術のあるエンジニアはたくさんいるが、行政とどう協力していくかを知ることができてよかった。自分の技術を地域のために使うことをライフワークにしていきたい」と話す。