流体抑制バルブの開発・製造・販売を行うオーケーエム(蒲生郡日野町)は11月1日、野洲市にオーケーエム研究開発センターを開設した。
同社は1902(明治35)年にのこぎりの製造業として創業。1952(昭和27)年にバルブ専門工場に転換し、製造販売を始めた。ビルの空調や上下水道、発電所などで使われるバタフライバルブを中心に流体制御機器を製造している。
研究開発センターを開設し、日野町の生産工場内にあった研究開発部門を移転。新たに材料の強度や耐性を計る検査機器や3Dプリンターなどを導入した。商品開発部長の仙波直一さんは「日野の工場内にも一部、試験場を持っていたが、狭く、老朽化していた。検査機器を導入することで必要な時に必要な試験ができるようになる」と期待する。経営企画課長の奥村伸二さんは「優秀なエンジニア人材確保のためにも、JRで通える場所に研究開発センターを開設することにした。野洲に移転することが決まって応募が増えた」と話す。
2016(平成28)年から船舶の大気汚染防止対策のための規制が強化され、船舶エンジンに排ガス浄化装置の追加が必要となった。同社は船舶排ガス用バルブを開発し、世界シェア1位となっている。仙波さんは「環境規制によって需要が増えるバルブを今後も開発していきたい。クリーンエネルギーへの変化で、新しい市場が生まれる」と見込む。
商品開発部の乾晃浩さんは「研究開発センターには最新の設備があり、工業技術センターに出向いて試験していたことが社内でできる。静かできれいで快適な環境を整えてくれたので、いいものを開発することで会社に返していきたい」と話す。
奥村さんは「将来的には本社機能を野洲に移転する予定。優秀な人材を獲得し、企業価値を高めていきたい」と意気込む。