叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)寿長生(すない)の郷(大津市大石龍門)の梅の花が見頃を迎えた。
叶 匠壽庵は1958(昭和33)年創業の和菓子店。同施設は1985(昭和60)年、6万3000坪の山に菓子工場、農園と共にレストランや売店をオープンした。城州白(じょうしゅうはく)、露茜(つゆあかね)、紅千鳥などの9品種の梅の木を約1000本植え、和菓子の材料にしている。
梅の花は2月16日に開花し、2月末には満開となった。広報担当の堀真規子さんは「今から1週間ぐらいは満開で、その後少しずつ色が変わっていくが、梅まつりの期間中は梅を楽しんでいただけると予想している」と話す。満開の梅の写真を撮影する人や、「山のテラス」に座り梅の木を眺める人、ハイキングをする人、和菓子を味わう人など、それぞれの方法で梅を楽しんでいる様子が見られた。
毎年、梅が満開を迎えるころに「梅まつり」を実施しているが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。堀さんは「今年は感染対策を取りながら営業している。広い空間で梅の花と和菓子をお楽しみいただければ」と呼び掛ける。
同施設内の「野坐」(のざ)では、梅まつりの期間限定で梅を使ったアップルパイ「春らんらん」を提供する。アップルパイの中に甘露煮にした城州白、小豆、アーモンドクリームが入れ、和風のアップルパイに仕上げた。担当者は「アップルパイをベースに、春らしくアレンジした。梅とリンゴの相性が良く、リンゴの風味を楽しんでいただける」と話す。
甘味処「梅窓庵」では「梅桜(はな)あんみつ」や梅パフェ、古民家では梅シロップをかけた城州白梅ソフトクリームを、菓子売り場では梅大福や梅きんつばなど施設内各所で梅まつりの期間限定メニューを提供する。
梅まつりの期間中には、陶芸体験や生け花教室、植物観察の散策ツアー、滋賀県出身の姉妹デュオ「ゆりめり」のコンサートなども実施する。21日は、立命館大学スポーツ健康科学部の海老久美子教授による講演会「里山で食べて学ぶ梅の美力(みりょく)」を行う。梅に含まれる成分が健康や美に与える影響について講義する。
営業時間は10時~17時。野坐の営業は10時~16時15分。梅まつりは21日まで。