琵琶湖岸を一斉に清掃する「びわ湖を美しくする運動」が7月1日、県内7カ所で開催された。
琵琶湖は窒素やりんなどの栄養塩類が多くなる富栄養化が進み、1977(昭和52)年5月に淡水赤潮が大規模に発生し、水道水の異臭味障害や、養魚場でのアユ、コイなどが死ぬ被害をもたらした。淡水赤潮の原因の一つが合成洗剤に含まれているりんであることから、県民が主体となって、合成洗剤の使用をやめ、粉せっけんを使おうという運動(石けん運動)が始まった。運動の盛り上がりなどを背景に1980(昭和55)年7月1日、滋賀県は全国に先駆けて、琵琶湖の富栄養化の原因となる窒素・りんの排出規制などを定めた「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」(琵琶湖条例)を施行した。1981(昭和56)年には琵琶湖条例の施行1周年を記念して、7月1日を「びわ湖の日」と決定し、毎年7月1日前後に県内で環境美化活動が行われるようになった。
今年は「びわ湖の日」制定40周年に当たることから、滋賀県の主催・共催で県内7カ所で環境美化活動が一斉に実施された。大津市では、大津港(浜大津)からなぎさ公園市民プラザ(由美浜)までの2.8キロの琵琶湖岸の清掃に約350人が参加。ミクロネシア連邦の環境問題の解決に向けて活動している立命館大学のボランティア団体「ナチュラブル」の代表、高木冬太さんは「大学のサービスラーニングセンターの呼び掛けで参加した。清掃活動に参加することで、ミクロネシアの環境意識を高めるためのヒントを探している」と話した。
大津市の小西邦彦さんは、5歳の息子と一緒に湖岸の消波石の隙間のごみを拾った。小西さんは「清掃登山には参加したことがあるが、琵琶湖の清掃に参加するのは初めて。子どもにいろいろな体験をさせたいと思って参加した。子どもの目線は低いので、小さなごみを見つけて拾ってくれる」と話した。石の隙間にはカップラーメンの容器、ビニール袋の切れ端などのプラスチックごみが多く見られた。
9時30分から1時間の間に、大津地区だけで約390キロのごみを回収。県内7カ所で約1900人が参加し、約2000キロのごみを回収した。