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琵琶湖博物館で企画展「湖国の食事(くいじ)」 滋賀の伝統食や食文化を紹介

ビワマスの刺身など琵琶湖の魚料理の模型

ビワマスの刺身など琵琶湖の魚料理の模型

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 滋賀県の食文化を紹介する企画展「湖国の食事(くいじ)」が7月17日、琵琶湖博物館(草津市下物町)で始まった。

滋賀の食文化研究会の堀越昌子さんと河合定郎さん

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 滋賀の食事文化研究会との共同開催で、滋賀の伝統食や地場野菜、県内各地域の特徴的な食文化などを紹介する企画展。「くいじ」は滋賀の古い言葉で、食事を表す。同研究会は1991(平成3)年、滋賀大学名誉教授(当時は助教授)の堀越昌子さんらが「記録しておかなくては消えてしまう伝統食や食文化を残したい」と発足させた。以来30年間、農業・漁業、調理法、行事の食など滋賀県の食文化を研究し、次世代に伝えるための活動をしてきた。

 堀越さんは「各地域の食文化は、似ているところもあるが、それぞれに特徴がある」と話す。湖北は雪が多く、冬場の食糧を確保するため、保存食やなれずしの種類が多い。野洲周辺は雨が降るころに琵琶湖から川へ遡上する産卵期の脂の落ちたビワマスをおいしく食べるために炊き込みご飯にした『アメノイオご飯』が食べられていたことなどをパネルで紹介。各地域の自然環境や地理的・歴史的背景と食文化は深く結びついていることが分かる展示となっている。

 「湖国の行事を彩る食事」として、川島朱実さんが撮影した各地域の祭りやオコナイ(五穀豊穣を願う伝統行事)の時に食べる食事の写真を展示。三輪神社(栗東市大橋)の「ドジョウのなれずし」や日枝神社(東近江市)の「ちん」と呼ばれる動植物を模したもち菓子などの模型も展示している。琵琶湖博物館学芸員の大久保実香さんは「新型コロナウイルスの影響で、祭りの時に皆で作って食べるという機会が減っているが、伝統的に受け継がれてきた食事を展示することで、滋賀にこれだけ多種多様な祭りの食事があることを知っていただきたい」と話す。

 彦根市から来た女性は「昔に使っていた道具が展示されていて、懐かしかった。イタドリ(山菜)の煮物を作っている動画を見て、昔に頂いたイタドリの味を思い出した。伝統食について学べたので、家でも作ってみたい」と話した。

 開館時間は10時~16時30分。入館料は、大人=800円、大学生・高校生=450円。中学生以下無料。「湖国の食事」企画展示観覧料は大人=300円、大学生・高校生=240円、中学・小学生=150円。来館は予約制。11月21日まで。

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