比叡山と比良山地をつなぐ山歩きの道を記した地図「比良比叡トレイルマップ」が8月16日、発売された。
滋賀県と京都府の県境にある比叡山(大津市坂本)から比良山地の蛇谷ヶ峰(高島市朽木)までの約50キロのトレイルルートを記した地図で、比良比叡トレイル協議会(大津市浜大津)が作製した。
比良比叡の自然と歴史、文化などの魅力を広く発信し、観光とスポーツの振興をはじめとした地域の活性化を目的に2017(平成29)年8月9日に、滋賀県山岳連盟や観光協会、比叡山延暦寺などが発起人となり、比良比叡トレイル協議会を設立。設立前の2016(平成28)年10月からトレイルルートの現地踏査・調査を始めた。トレイルルートの候補となる山道を実際に歩き、崩落地や不明瞭な道、急斜面など29回調査をし、安全のための問題箇所の抽出や道しるべの設置地点を検討した。
2018(平成30)9月に台風が滋賀県の湖西地域を直撃し、比良比叡トレイルルートに倒木の被害を及ぼした。同協議会は2019(平成31)年4月から倒木被害の調査と整備を始め、12回調査し、倒木をチェーンソーで切り、処理しきれない倒木には乗り越えられるように足場を作るなど整備をして登山道を復活させた。2020年3月からは迷いやすい分岐点に道しるべを設置。滋賀県警の登山届のサイトにつながるQRコードも記載した。
2021年4月に比良比叡トレイルルートが完成し、今回、地図の発売にこぎ着けた。地図には中高年の一般登山者が歩くスピードに1割程度の余裕を持たせた所要時間を掲載している。同協議会事務局長の小川隆さんは「坂本から朽木の50キロを往復2回調査した。昔から道はあったが、途切れていてつながっていなかった。延べ90人が調査と整備に協力してくれてルートが完成した。ルートには、滋賀県の県花であるシャクナゲなど山の草花が咲いている。南は京都一周トレイルに、北は高島トレイルにつながっている。近隣のトレイルと連携を強めていきたい」と話す。「安全に比良比叡トレイルを楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。
価格は1,100円(送料込み)。堅田駅前観光案内所、志賀観光協会、葛川坊村の「茶房」、比良駅前「ほっとすてぃしょん比良」、中山スポーツ、TOPPINOUTDOOR&TRAVELと比良比叡トレイルホームページで購入できる。