プロバスケットボールBリーグの島田慎二チェアマンと、Bリーグ1部の滋賀レイクスターズの上原仁会長、釜渕俊彦社長が10月20日、江島宏治滋賀県副知事を表敬訪問した。
守山市出身の上原さんが社長を務めるマイネット(東京都港区)が発行済み株式の75%を取得し、経営参画することが9月22日に発表され、新体制となった滋賀レイクスターズ。開幕から6戦で5勝1敗、得失点差で西地区1位と良いスタートを切った。
島田チェアマンが「BリーグにもM&Aで資本参加が増えているが、現場に任せる経営者が多い中、上原さんは地元に戻って自らパッションを持って乗り込んできて、現場を良くしようとしている。レイクスターズが良くなると期待している」と話すと、上原さんは「島田チェアマンもフルコミットして千葉を日本一のチームにした。資本を活用して日本に地域とスポーツが生み出すサステイナブルな社会をつくるというビジョンに企業家として共感した」と応えた。
島田チェアマンは、2026-27シーズンからのリーグ構造改革「将来構想」について江島副知事に説明。新B1基準は、売り上げ12億円以上、平均観客動員数4000人以上、収容人数5000人以上で年間120日以上予約ができるなどの条件をクリアしたアリーナをホームアリーナとして使用すること。島田チェアマンは「Bリーグの目標はバスケで日本を元気にすること。地域が元気になると日本も元気になる。勝ち負けで昇降格があると、感情移入ができなくなって、投資ができなくなる。ある一定の事業規模とアリーナを持つチームがB1にいるというレギュレーションにした。地域での存在価値を高めるために滋賀県もバックアップしてほしい」と話した。
中学、高校でバスケット部に所属していたという江島副知事は「以前からレイクスターズに注目してきた。この調子でトップを走り続けてほしい。期待している」と話した。
表見訪問を終えた島田チェアマンは新B1構想について「高いハードルを設定して、超えたクラブのみがB1にいる。3つとも大変だが、観客が増えると、支援や投資が増え、地域が盛り上がるとアリーナが必要だとなってくる。まずはたくさんの観客に会場に足を運んでもらえることが重要。自治体や投資家が長い目で見て投資するためには、昇降格という不確定要素が多い中ではコントロールすることが難しい。アリーナを作っても、3部に降格したら活用できない。長期的に経営するために、事業力でカテゴリー分けをするという決定をした」と説明した。
滋賀レイクスターズについては「琵琶湖という日本で最も美しく、大きな湖のある場所で、13年間根気強く地元に根付こうとしているチーム。熱い会長、熱いオーナーがチームに良い影響を与えている。若いチームなので、これから壁があると思うが、完成するといいチームになる。ITを使ってファンに喜んでもらえるサービスをすることで、いい方向に向かっていくだろう。執念深く地域のために努力していくしかない。クラブと地域が一丸となって滋賀から疾風を巻き起こし、日本を代表するクラブになってほしい」と期待を寄せた。
上原さんは新B1基準について「売り上げと観客動員は今までのビジネスの実績から成果を上げるアプローチを考える。アリーナについては自分たちだけの力では実現できない。県民、ブースターの皆さんの力で実現する。行政に資金を頼るというスタンスではなく、将来の確からしい収益計画を示すことで民間から資金調達をし、複数ある候補地から具体化のための策を組んでいる。アリーナの実現に向けて、やり切るという意思を持ってここに来た。新B1基準は超えてみせる」と力強く話した。