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草津の中学校でSDGsボードゲーム学習 高校生が進行役

高校生が進行役を務め、中学生がSDGsボードゲームを体験した

高校生が進行役を務め、中学生がSDGsボードゲームを体験した

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 草津市立松原中学校(草津市下笠町)で11月16日、ボードゲームを活用した全校生徒対象のSDGs学習が実施された。

協力し合ってSDGsボードゲームを進める中学生

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 1・2時間目は1年生、3・4時間目は3年生、5・6時間目は2年生が授業を受けた。初めにSDGsコンサルタント「あもる」代表の島田利恵さんがSDGsの認知度や世界で起こっていることについてオンラインで話し、守山高校の2年生がSDGsボードゲーム「サスティナブル・ワールド・ボードゲーム」のルールを説明した。

 サスティナブル・ワールド・ボードゲームは、SDGsに関する取り組み事例を分かりやすく楽しみながら学ぶツールとして、未来技術推進協会(東京都千代田区)が開発。プレーヤーが「大企業」「慈善団体」などの役割に分かれてプレーする。役割によって年間予算が異なり、各自はランクアップ(自己成長)と17のSDGsの達成(世界を良くする)ことを目指す。

 ミッションカードには、実際に取り組まれたSDGsに関する事例の課題と解決策、実施するために必要なコストが書かれてある。ミッションを実施すると、SDGsゴールのパラメーターが変動し、全ての目標のパラメーターが2030年までに10になることを目指す。自分のミッションの予算が足りないときはほかのプレーヤーに「協業」をお願いして資金を集めることもできる。

 生徒は班ごとに分かれ、4~6人でボードを体験した。どのミッションに投資するかなどを相談し、協力しながらミッションをクリアする班や、各自が自分のミッションを実施する班があった。「協業」をするとSDGsゴール17の「パートナーシップで目標を達成しよう」のパラメーターが上がる。島田さんは「日本はゴール17が達成には程遠いと世界から評価されている。思いを伝えることと、ずうずうしいことは違う。『世界を良くしたいから協力してほしい』と主張することが大切。どんな世界をつくりたいか話し合ってほしい」と中学生に訴えた。

 3年の男子生徒は「SDGsは難しいイメージがあったが、ボードゲームなので分かりやすかった。ウガンダでは予防可能な病気で子どもが亡くなることが多いというカードが印象に残っている。解決策に病気は手洗いやアルコール消毒で予防できると書かれてあり、日本で僕たちがしていることがウガンダではできないのだと知った」と話した。

 3年生は今後、興味のあるミッションカードについて解決策を考え、英語で発表する。松原中教頭の辻大吾さんは「SDGsに関する学びを今回だけで終わらせるのではなく、教科横断で英語の授業にも反映させる」と話す。

 ファシリテーターとしてボードゲームの進め方を教えた守山高校2年の石田有咲(ありさ)さんは「ミッションを実施すると、パラメーターが上がる項目と下がる項目がある。下がる原因に中学生が興味を持ってくれた。SDGsが日常生活に関係することを知ってもらえたと思う」と話した。同じく2年の山本優寿(ゆず)さんは「SDGsについての講義より、ボードゲームの方が対象年齢が広がる」とボードゲーム学習の効果を実感していた。

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