滋賀県野洲市がふるさと納税の返礼品に化粧品ブランド「SK=II」の商品を加えた効果で、寄付額が急増している。
野洲市は2020年度まで、前市長の「返礼品競争に参加しない」という方針から、滋賀県の中で唯一ふるさと納税の返礼品を設定しておらず、2020年度の年間寄付は11件、105万円で県内最下位だった。2019年(平成31)年4月に地場産品基準が制定され、「区域内で生産されたもの」「主要な原材料が区域内で生産されたもの」などの基準が定められたことから、「ふるさと納税の本来の趣旨に立ち返ってきた」との判断で、2021年度から返礼品を設定した。
12月にP&G滋賀工場(野洲市上屋)で生産している「SK=II」の商品を返礼品に加えたところ、寄付額が一気に増えた。1月末時点で4億8989万5,400円の寄付があり、そのうち98.4%がSK=IIを返礼品として指定。市協働推進課の川本彩子さんは「少なからず反響はあるだろうと予想していたが、思った以上の寄付額で驚いている」と話す。
P&G滋賀工場は前身のマックスファクター時代も含めて、今年で50周年を迎える。SK=IIは世界15カ国以上で販売されているが、生産しているのは滋賀工場のみ。返礼品ではフェーシャルトリートメントエッセンスやスキンパワークリームなど30品目が登録されている。
野洲市の返礼品には、野洲出身の西川貴教さんのデビュー25周年を記念して発売された「VOTE米粉ポルボロン」「VOTE米粉フィナンシェ」や、野洲に本店がある来来亭のラーメン、近江牛、米などが登録されている。川本さんは「SK=IIが注目されて、ほかの商品も見てもらえる機会が増えた。返礼品をきっかけに、市のプロモーションにも力を入れていきたい」と話す。