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草津の東海道・中山道を体感できるアプリ体験会 立命館大学生が制作

「ぶらり街道AR博物館」の試用体験会の様子

「ぶらり街道AR博物館」の試用体験会の様子

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 草津市の東海道・中山道の街道散策体験型ARコンテンツ「ぶらり街道AR博物館」の試用体験会が2月9日、くさつ夢本陣(草津市草津)周辺で開催された。

プロジェクトリーダーの大坪さん

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 ARアプリケーション「マチアルキ」を使用し、草津市内の草津宿本陣や立木神社、追分道標、de愛広場など16カ所でスマートフォンやタブレットのアプリをかざすと、動画や静止画でその場所の歴史情報や豆知識、クイズが表示される。de愛広場は、かつて天井川の草津川があり、増水時には担いで渡る「徒歩(かち)渡り」で通行料を徴収する町人がいた。現在は川もなくなり公園として整備された場所でアプリをかざすと、浮世絵風のイラストで寸劇調にコミカルに表現された「徒歩渡り」を見ることができる。

 体験会には10代~70代の男女約40人が参加し、街道を歩いてアプリを体験した。参加者に使い勝手やコンテンツの中身について聞き、効果の検証や改善点を把握した。「東海道・中山道ぶらり街道AR博物館」は、参加者の意見を基に改善し、4月24日の草津宿場まつりで正式リリース予定。

 草津は江戸時代、東海道と中山道が分岐・合流する宿場として栄え、草津宿本陣は現存する宿場の中でも有数の大きさで、当時の姿を残す貴重な建物だが、街道沿いの開発が進み、かつての街道風景を残す場所は少なくなっている。

 立命館大学建築設計研究室が草津市の社会実験等準備事業に採択され、2019年から歴史資産を活用したまちづくりに取り組み始めた。助教の藤井健史さんは「1年目は路面にデザインを施すことを計画したが、実際にすることは難しく、ARを活用したらできるのではないかとコンテンツの制作を始めた」と振り返る。

 同大学修士課程2年の大坪篤貴さんをプロジェクトリーダーとして、学生がコンテンツ作りに取り組み、くさつ夢本陣のボランティアガイドに話を聞き、イラストを描き、アニメーションの制作をした。大坪さんは「大阪に住んで草津に通っていたので、草津の歴史的な魅力を知らなかったが、プロジェクトを通して歴史の勉強になった。内容を考えるときにネットで調べたが面白くなくて、地元のガイドに話を聞きに行ったら、次から次へと面白い話が出てきたので、それを寸劇にして表現した」と話す。

 藤井さんは「スマホをかざして見ている横を通過交通の車がスピードを出して通っていき、街道を人が安全に歩いて行けない現状にも気付いた。安心して散策できる道になるように地域の人の協力を得て、皆で考えていきたい。そのためにも、街道の歴史を知り、ARで『面白い』と思ってもらうのが最初の一歩。皆で街道の歴史を守り、大切にしていくきっかけになれば」と話す。

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