情報の伝え方を学ぶイベント「メディアトーーク~地方でのPRを学ぶ一日~」が6月11日、守山市立図書館(守山市守山)で開催された。
ラジオ、新聞、ウェブメディアなどの記者、編集長が登壇し、「記者が取り上げたくなるテーマ」「アクセスが集まる記事」について話すイベント。ライターや会社員、個人事業主、主婦、市議会議員など会場38人、オンライン22人が参加した。
イベントを企画した日刊滋賀県編集長の中野龍馬さんは「発信方法が分からない・メディアに取り上げてもらいたいと思っている人や、メディアを運営しているが事業化できていない人などの課題を解決するには、県内で事業としてメディアを運営している人から話を聞き、メディア側が何を求めているかを直接知ることが必要だと感じ、イベントを実施した」と振り返る。
メディア側の登壇者は、京都新聞記者の三皷慎太郎さん、ウェブメディア長浜経済新聞の植田淳平さん、ウェブメディアLOMORE編集長の南澤裕章さん、フリーペーパー「チェキポン」編集長の藤井彩加さん、ユーチューブチャンネル「ハジメチャンネル」の平井元さん、滋賀を中心に活動するタレントのMC MORIYAさんの6人。
「取り上げたくなるテーマについて」の質問には、三皷さんは「前職が変わっている店主など、面白い経歴のある人」と答えた。南澤さんも「どんな人かが大事。人間性が一番知りたい部分」と話す。藤井さんは「プレスリリースには事実だけでなく、そこに至るまでの思いを載せてもらいたい」と話した。
植田さんは「プレスリリースを出せばいいと思っている人もいるが、記者からすると取り上げたいのは特ダネ。個別の記者に『あなただけ』と情報を渡すと記者に響く」とアドバイスした。三皷さんも「毎日何枚も来るプレスリリースだけでは熱意を感じない。熱心な人の情熱にほだされる」と話した。
インスタグラムのフォロワー数が1万人のMC MORIYAさんは「自分で発信する場所を開拓することも必要。無料でできるSNSを現状より改善して、より多くの人の目に留まると、取り上げてもらえる可能性も増えるのではないか。どんな内容がいいか、何時に投稿するのがいいかなど簡単に知ることができる」とアドバイスした。平井さんは「SNSでは、5種類の切り口の違う投稿を発信してみて、一番反響のあった投稿を続けてみてはどうか。フォロワー数の多い人の投稿を徹底的にまねしてみてもいい。うまくいっている投稿には理由がある」と話した。
参加者からは「自分もメディア運営をしているので参考になった」「メディアサイドに立って、情報にどんな目玉があるのか、特別性・限定性を意識して情報提供しないといけないということが分かった」「取り上げてもらうには情熱と人ということが一番響いた」などの感想が寄せられた。
中野さんは「どうやって情報発信するのが効果的なのか、メディアに取り上げてもらうための大切なことを知ってもらう機会になった。取材対象者の熱量や個性が重要だということを参加者の人に知ってもらえたと思う。今後はそれぞれの事業やプロジェクトで生かしてもらい、滋賀県の面白い情報がどんどん『見える化』されれば」と話した。