クラウドファンディング実践セミナーが8月25日、コラボしが21(大津市打出浜)で開催された。主催は大津商工会議所。
クラウドファンディング(CF)プラットホームのキュレーターを担当するメディアート(長浜市)の植田淳平さんが講師を務めた。大津市内の事業者など10人が参加。植田さんがCFをサポートした経験や、実際に起案者となり立ち上げ、成功した事例紹介などを交えて説明。
植田さんは2015(平成27)年に長浜市の地域おこし協力隊として滋賀に移住。任期中に「地元で古民家カフェをしたい」という相談を受け、CFをサポートした植田さんは「プロジェクトが成功してカフェができて、町の空気感が変わった。クラファンってこんなことができるのか、これを続けていけば面白い町になる」と感じ、2018(平成30)年に長浜市で起業後も支援事業を続けた。
新型コロナウイルスの影響でCFの実行者が増え、認知度が上がり、プラットホームの「マクアケ」では、2016(平成28)年に1億円を超える支援金を集めた案件は1件のみだったが、2020年は1億円超えのプロジェクトが20件以上になったことを植田さんが説明すると、参加者から驚きの声が上がった。
植田さんは「クラウドファンディングは手段。目的にすると失敗する。目標設定が大事。10年後、20年後に実現したい未来は何か、達成したいことを言語化すると、目標が決まり、諦めずに取り組むことができる。起案者の掲げた目標に共感すると支援が集まる。アイデア次第で人を巻き込むことができる」と話した。
セミナーでは、プロジェクトを成功させるために必要なことも紹介。支援依頼先のリスト作成や支援方法を説明するマニュアル作成、申込用紙を付けたチラシの作成など、地道な活動が重要だと説明した。植田さんは「リストを作った人は成功する確率が高い。伝えたい人にプロジェクト内容を伝える手段がCF。誰がやっているかは重要。『この人だからリターンにメリットがなくても支援が集まった』と感じるプロジェクトもある。それがCFの本質」と話した。