見る・遊ぶ 暮らす・働く

村田和哉さんヴィアベンテン滋賀、滋賀2部リーグ昇格 「21人の夢への挑戦」

滋賀県社会人サッカー2部リーグへの昇格を決めたヴィアベンテン滋賀

滋賀県社会人サッカー2部リーグへの昇格を決めたヴィアベンテン滋賀

  • 19

  •  

 守山市が本拠地の滋賀県社会人サッカー3部リーグ「ヴィアベンテン滋賀」が9月25日、全勝で2部への昇格を決めた。

ヴィアベンテン滋賀の選手として試合に出場する元Jリーガーの村田和哉さん

[広告]

 ヴィアベンテン滋賀は、セレッソ大阪、清水エスパルス、柏レイソルなどJリーグで活躍し、2021年1月に現役を引退した村田和哉さんが立ち上げたチーム。滋賀県社会人サッカー3部Aリーグに所属する。

 6月に始まった同リーグ戦では9月までの6試合を全勝し、2部リーグへ昇格。村田さんのほか、市役所職員や大学生、会社員など19歳から34歳の21人が選手として戦った。開幕戦は26‐0と圧勝したが、先制された試合も2試合あった。整備されていない中学校のグラウンドで試合をすることもあったという。村田さんは「でこぼこのグラウンドで、ボールが思うように転がらないこともあったが、『大きな夢をつかむためには挫折もある。団結して乗り越えよう』と選手に声をかけた」と振り返る。

 守山市職員でゴールキーパーの三品翔平さんは「大学までサッカーを続けたが、就職してからは趣味にしていた。もう一度熱く何かに取り組みたいとヴィアベンテン滋賀にチャレンジした。チームには熱い若者が自然に集まり、試合を重ねるごとにコミュニケーションが取れるようになり、一体感が生まれた」と話す。

 大学生の渡邉悠斗さんはチームの練習や活動への参加をきっかけに滋賀での就職を決めた。村田さんは「滋賀に就職を決めてくれてうれしかった。仕事もサッカーも頑張ることで、渡邉さんを応援しよう、ヴィアベンテン滋賀を応援しようと思ってもらえるようになってほしい」と話す。

 会社員の高橋建也さん(高ははしごだか)は、部員が2人しかいなかった高島市の中学校から山梨学院高校・大学へ進み、シンガポールのプロリーグで活躍した経歴を持つ。帰国後、Jリーグチームの練習に参加したが、契約できずにサッカーをやめ、滋賀で3年間会社員として働いていた。高橋さんは「チームが立ち上がるタイミングで、ゼロから始めてみようとセレクションを受けた」と振り返る。高橋さんは「うまくなりたい、プロになりたいという思いではなく、プレーすることで地元高島の子どもたちにいい影響を与えられたらと入団した」と話す。

 同チームは、練習や試合だけでなく、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる。村田さんが滋賀県各地の学校に出向き、講演会やストリートサッカーの授業を行う「しがのわプロジェクト」のほか、琵琶湖の清掃活動、地域イベントなどには、村田さんだけでなくチームのメンバーも参加。村田さんは「サッカーだけをやればいいというのではなく、どうやって地域に必要とされる存在となるか、どうすれば滋賀の未来につながるかを考え、行動することが大事。一般人だった彼らが注目され、応援されることで使命感が生まれてきたと感じる」と喜ぶ。

 高橋さんの「地元に貢献したい」という思いから、10月9日には高島市でサッカー教室を開催した。高橋さんの小学校時代の担任は「どんな大人になるか心配していたが、地域貢献活動をしているなんて」と驚いていたという。

 村田さんは「滋賀にJリーグチームを作りたいとチームを立ち上げたが、ゼロからの挑戦で、できるかどうかは分からない。ただ、21人の若者が大きな夢に挑戦している姿を見せたい。一人でやってきたことを今はチームのメンバー皆でやっている。清掃活動に参加した時に出会った人が試合を見に来てくれるようになった。そうやって少しずつ、サッカーに興味がない人を巻き込んでいきたい」と意気込む。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース