「新しい琵琶湖の歌」の「びわ湖トワ」を吹奏楽用にアレンジする「吹奏楽でびわ湖トワ」プロジェクトが2月7日、立命館守山高校(守山市三宅)で始まった。
「びわ湖トワ」は、2018(平成30)年に「びわ湖トラスト」が募集した「新しい琵琶湖の歌」コンテストで最優秀曲に選ばれた曲で、滋賀県出身のジャズピアニスト加藤景子さんが作曲し、加藤さんの姉で大津市の在住の野上涼子さんが作詞した。
野上さんが「甲子園球場で高校生の応援演奏を聴き、音楽には人を元気にする力があると再確認し、吹奏楽としてこの曲を皆さんに届けたい」と吹奏楽用にアレンジすることを提案。立命館守山高校と協力してプロジェクトを進めることになった。
7日に加藤さんとサックスプレーヤーの北守一生さんが立命館守山高校を訪問。北守さんが吹奏楽用に編曲した譜面を吹奏楽部の生徒が演奏し、各パートが疑問点を出し、吹奏楽部の指導者の曽根威志さんらのアドバイスを受けながら、各楽器の特性や音域、音色などを北守さんと生徒が相談した。
北守さんは「多くの楽器が演奏する曲に編曲するのは初めてで、それぞれの楽器をうまく生かすことに苦労した。生で音を出してみないと確認できないことがあったので、想像力が必要だった。中高生の時に吹奏楽部員だった頃のことを思い出しながら編曲した」と振り返る。
「実際に立命館の部員の音を聞いて、自分の描いていた音が一発で出たので、いけると思った。皆さんの力量を感じて完成が楽しみになった」と期待する。
加藤さんは「高校生にとっては手本のない新作を演奏するのは初めてで、北守さんも吹奏楽のアレンジを手がけるのは初めて。お互いが手探り状態で譜面を音にしていった。初めは恐る恐るしていた演奏が、確信を持った生き生きとした音に変わっていくのを間近で見ているのはエキサイティングで感動的な体験だった」と話す。
吹奏楽部の宮里こいきさんは「楽譜の制作に一から携わるという貴重な経験をすることができてうれしい。私たちの音楽でさらにびわ湖トワを盛り上げたい」と話した。
同じく吹奏楽部の田村陽菜乃さんは「編曲者や作曲者と共に曲を作り上げていくという経験はなかなかできることではないので、たくさんのことを学びたい。この曲を通して琵琶湖の魅力だけでなく、吹奏楽の良さも感じてもらえるように精いっぱい取り組みたい」と意気込みを見せる。
今後も協力して譜面作りを進め、完成した曲は、5月に守山市民ホールで開催予定の立命館守山中学・高校吹奏楽部の「フレッシュコンサート」で演奏する予定。