町家の魅力を発信するイベント「町家の日」が3月4日から、ナカマチ商店街(大津市)周辺で開催される。
京町家情報センター(京都市)が2016(平成28)年に3月を英語で「マーチ」、8日を「や」と読み、3月8日を町家の日に制定。京都を中心に町家の日イベントを開いてきた。
大津は旧東海道で京の都に入る最後の宿場町として江戸時代から明治にかけて栄え、町割りが100を超えていたことから「大津百町」と呼ばれていた。大津には、江戸時代から昭和初期に建てられた町家が約1500軒あるが、100軒以上が空き家となっている。「大津宿場町構想実行委員会」が中心となり、「大津町家」を保存する活動をしている。
町家の日イベントでは、期間中、町家を改装したホテル「講」に米安珈琲(コーヒー)焙煎(ばいせん)所(守山市)がカフェを出店するほか、町家で着物の着付け体験、琵琶の演奏会、人形浄瑠璃乙女文楽の公演、ハープ演奏体験、バルーンアートのワークショップなどを展開する。
地域通訳案内士の大西ジェニファーさんは大津百町の町家巡りと登録有形文化財の小川家住宅の見学ツアーを行う。江戸時代末期に建てられた小川家では、代々伝わるひな人形を見学する。大西さんは「大津町家は昭和初期の道路拡張工事で軒を切る『軒切り』をして2階を座敷にしたものと、江戸時代のまま残っているものがある。違いを見比べながら大津の町歩きを楽しんでほしい」と呼びかける。
各イベントの開催日時は「町家の日」ウェブサイトに掲載する。3月12日まで。