高齢者施設で滋賀レイクスの試合動画を観戦する「推し活プロジェクト」が12月18日、小西医院デイサービス(大津市大萱1)で開催された。
レイクスチアリーダーズとマグニーの応援動画を見ながら練習する利用者
70代から90代のデイサービスの利用者19人が参加。滋賀レイクスのスポンサーであるサン・クロレラ(京都市)が提供した滋賀レイクスのTシャツや応援グッズを身に着け、施設内のモニターで試合を観戦した。
レイクスチアリーダーズの動画を見ながら体を動かして応援練習をし、12月9日に滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で行われたバンビシャス奈良戦を観戦。滋賀の選手がファウルを受けると「親御さんは心配やで」との声が上がり、終盤、試合がシーソーゲームになると「15番の子(キーファー・ラベナ選手)、よう(よく)頑張ってる」「77(森山修斗選手)行け行け」などの声援が飛んだ。滋賀県草津市出身の森山選手の3ポイントシュートが決まると「草津の人や」と喜ぶ人も。
93歳の太田安男さんは「野球はしていたが、ほかの競技は見たことがなかった。ルールが分かったらもっと面白いのだろうが、バスケは点数がたくさん入り、接戦だったので面白かった。皆で団結して応援できてよかった。テレビよりも試合会場で見たらもっと面白いだろう」と喜んだ。
デイサービスを運営する輝生会人事総務部の中山夕佳さんは「開催の1週間前から選手の写真を壁に貼り、『この人は草津市出身』と説明して、興味を持ってもらうようにした。何歳になっても好きな人がいることが生きがいになると思う」と話した。
輝生会理事長で医師の小西平さんは「1人暮らしの高齢者は普段話すことがないが、人としゃべり、盛り上がる場所があれば健康になれる。話して動き回ることで生き生きとしてくる。みんなで一つのことで盛り上がれるのがいい」と施設で試合観戦をすることの意義を話した。応援することが高齢者に与える影響については「応援のために大きく手を振ることや声を出すことは健康にも良い。リハビリは強制的に体を動かしているが、応援しながら自然に動きが出てくるのがいい。声を出し、舌を動かすことで誤嚥(ごえん)を避けることができる」と話す。
滋賀レイクスの藤居海好さんは「健康寿命の課題に取り組むため、高齢者施設でも観戦イベントを実施することにした。初めての開催でどのような反応があるか分からなかったが、レイクスが得点したら喜び、バスケそのものを楽しんでくれた。今後は司会者やチアリーダーズやマグニー、シーズンオフには選手も参加して開催できれば」と話した。Jリーグが実施している「Be supporters!(ビー サポーターズ)」の取り組みでは要介護度が下がったという事例を挙げ、「レイクスの取り組みが皆さんの生きがいづくりのきっかけになり、健康になってもらえれば」と話した。