大河ドラマ「光る君へ」ラッピング電車の運行が2月16日、京阪電車大津線内の石山坂本線で始まった。
月を眺める紫式部役の吉高由里子さんをデザインしたラッピング電車
紫式部が石山寺に参拝した時に琵琶湖に映る月を見て「源氏物語」を起筆したという伝説が「石山寺縁起絵巻」に描かれていることから、紫式部ゆかりの地である京阪電車の石山寺駅から坂本比叡山口駅までの区間で大河ドラマ「光る君へ」ラッピング電車を運行する。
2両編成の600系車両外装に「光る君へ」の主人公まひろ(紫式部)役の吉高由里子さんが月夜にたたずむ姿と、ドラマのメインビジュアル、番組タイトルやロゴをデザインした。車内にも月夜をイメージしたラッピングを施し、紫色のつり革を設置した。ラッピング電車の運行に合わせて、2023年12月から行った石山寺駅のリニューアルでは、柱や屋根、駅名標を紫色に塗装し、駅名標の文字は石山寺の揮毫(きごう)を受け変更。駅前に石山寺所蔵の「紫式部図」を大きくプリントした看板を設置した。
佐藤健司大津市長は「ドラマの世界観を表した電車。つり革を紫色にするなどこだわっている。石山寺や三井寺、坂本の慈眼堂(じげんどう)など紫式部ゆかりの地を周遊してもらえれば」と話した。
鷲尾龍華石山寺座主は「石山で生まれ育ち、紫式部は親戚か友達のような感覚でいた。大河ドラマの主人公になり、親戚の子が結婚式を挙げたような気分。ドラマをきっかけに多くの人に大津が魅力のある場所だと知ってもらい、大津に住んでいる人にもこの地を誇りに思ってもらえれば」と期待する。
11時からの記念運行には石山幼稚園の5歳児19人が乗車。子どもたちは「いつもの電車よりきれい」と喜んだ。
「光る君へ」ラッピング電車」は石山寺・坂本比叡山口間を1日最大15往復する予定。運行期間は2025年1月31日までを予定する。