大津市と紫式部の関わりについての特集展示「源氏物語と大津」が現在、大津市歴史博物館(大津市御陵町)で開催されている。
石山寺が所蔵する「石山寺縁起絵巻模本」や「紫式部観月図」などの絵画
紫式部が石山寺に参拝した時に琵琶湖に映る月を見て「源氏物語」を起筆したという伝説が「石山寺縁起絵巻」に描かれていることから、大河ドラマ「光る君へ」の放送に合わせて、大津市と紫式部との関わりについて紹介する展示。
石山寺が所蔵する「石山寺縁起絵巻模本」や「紫式部観月図」などの絵画のほか、松平定信が源氏物語に登場する和歌の中から選んで書き写し、石山寺に奉納した「源氏物語巻々和歌」、源氏物語の写本など22点を展示。源氏物語の絵を描くときの見本となる画帖(がじょう)や、金びょうぶに源氏物語の各帖から場面を選び、1節を記した詞書(ことばがき)と絵を並べて貼った「源氏物語色紙貼交屏風(はりまぜびょうぶ)」なども展示する。2025年2月2日までの期間中、6期に分け、約2カ月ごとに展示を入れ替える。
光源氏のモデルの一人といわれている源融(みなもとのとおる)を祭る融神社(大津市伊香立南庄町)の懸仏(源融像)、こま犬や、大津市内で出土した平安時代の土器やすずりも展示している。
エントランスでは、「源氏物語」54帖のあらすじと場面の絵画、人物相関図を見ることができるデジタルコンテンツや、石山寺の「源氏之間」を再現したフォトスポットを用意した。予約制で、模擬十二単(ひとえ)を着用して源氏之間に座って写真撮影ができる紫式部・平安貴族なりきり体験も実施する。
大津市歴史博物館学芸員の鯨井清隆さんは「大津は鎌倉時代には源氏物語の聖地となっていた。受け継がれてきた紫式部との関わりを展示している。デジタルコンテンツやなりきり体験もあるので、大河ドラマファンや若い人にも来館してもらえれば」と呼びかける。
開館時間は9時~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は大人=330円、高校生・大学生=240円、小学生・中学生=160円。紫式部・平安貴族なりきり体験は高校生以上=1,000円、中学生以下=800円。エントランス展示は観覧無料。