Bリーグ2部の滋賀レイクスが3月2日、1シーズン当たりのホーム戦累計来場者数で最高記録を更新した。
3921人が来場した12月30日のベルテックス静岡(写真提供=滋賀レイクス)
2016(平成28)年のBリーグ開幕以降、滋賀レイクスのホーム戦の最多総来場者数は2022-23シーズンの7万8099人だったが、3月2日に滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で開催した愛媛オレンジバイキングス戦で、2023-24-シーズン累計来場者数が8万0569人となり、ホームゲームは7試合が残る中(3月2日時点)で、1シーズン当たりの記録を更新した。
滋賀レイクスは今シーズン、2026年から始まる新B1リーグ「B.PREMIER(Bプレミア)」の3次審査基準になるホーム戦1試合当たりの平均入場者数3000人を目指し、マーケティング部の大塚皓平さんとアリーナエンタメ部の米谷仁誼さんを中心に開幕前から集客プロジェクトを開始。大塚さんは「B2リーグに降格したことにより、開幕前の前売りチケットの購入枚数が減ったが、会社として3000人を目指すことを掲げ、各部署が協力して取り組んだ」と振り返る。県内の各市町住民・小中学生の無料招待やスポンサーの団体観戦などの取り組みをしたほか、ファンを巻き込んだ「フルハウスメンバーズ」プロジェクトを立ち上げた。
「フルハウスメンバーズ」は、滋賀のファンクラブ会員の有志を対象に、チケット引換券を渡し、友人などを試合観戦に誘ってもらうプロジェクトで、現在、120人が登録している。大塚さんは「フルハウスメンバーが1試合で100人以上呼んできてくれたこともある。知っている人からチケットをもらうことで来場につながる。集客はファンや社員による少しずつの積み重ね」と感謝する。
2月23日の越谷アルファーズ戦では4403人が来場した。昨シーズンに横浜ビー・コルセアーズ戦で記録した4264人を超え、クラブの最多入場者数記録を更新している。チケットは完売し、臨時席も販売した。集客施策として、来場者全員に「スターズイエロー」のユニホームを無料配布した。大塚さんは「開幕前の企画では先着3500人に配布する予定だったが、米谷の『両日共4000人超えにしたい』という思いに突き動かされ、パートナー部の協力でサンクロレラからの協賛を得て、全員に配布できた。営業担当者や協賛企業も巻き込んで達成した記録」と話す。
23日の試合中に来場者数が発表されると、会場から大きな歓声が上がった。大塚さんは「会場が沸いた瞬間、本当にうれしかった。会場の一体感が素晴らしく、これが目指していたアリーナの姿だと感じた」と振り返る。
3月2日の愛媛オレンジバイキングス戦は、23日・24日の反動もあってか、今シーズンの滋賀ダイハツアリーナ開催試合で始めて3000人を切る可能性があったが、3260人が来場した。「ファンがSNSでチケットが余っていると呼びかけてくれたり、フルハウスメンバーズがたくさん人を呼んでくれたりした。この日の3200人はファンと一緒に達成した」と大塚さん。「無料招待客が有料のチケットを買って再来場する率も高い。降格して予算は削減されたが、会場の演出を昨シーズンと同じクオリティーにして、また来たいと思えるアリーナづくりをしている」と話す。
滋賀は現在西地区1位で、1シーズンでのB1復帰を目指している。大塚さんは「越谷戦の会場の一体感は選手の力になったと思う。残りのホームゲームで1試合でも多くアリーナを満員にして、チームを後押しできる空間をつくりたい」と意気込む。