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琵琶湖博物館、トンネル水槽修理完了し展示再開 琵琶湖の沖合に近い環境に

1年ぶりに水が入り、魚が泳ぐトンネル水槽

1年ぶりに水が入り、魚が泳ぐトンネル水槽

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 琵琶湖博物館(草津市下物町)のトンネル水槽の修理が完了し、4月23日から展示が再開される。

トンネル水槽に魚を入れる寺嶋さん親子

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 2023年2月にビワコオオナマズを展示していた大型水槽が破損。全ての水槽を点検したところ、トンネル水槽のドーム型アクリル板に5ミリほどのひび割れが見つかり、強度に疑問が示されたことからトンネル水槽の水を抜いた。6月に水族展示室の全通路が開通したが、トンネル水槽は水を抜いたままの状態だった。

 今回の修復では、安全面に配慮してドーム型ではなく厚さ65ミリの平らなアクリル板を使った。水槽内を広く見渡せるように配管の囲いを一部撤去し、底に擬岩を置き、4月17日から2日間かけて琵琶湖の水約400トンを入れた。破損前はコイやフナ、ビワマスなど比較的大きな魚だけを飼育展示していたが、修復後はスゴモロコやコアユなどの小さな魚も一緒に展示することで、水槽内を琵琶湖沖合の環境に近づける。

 トンネル水槽は水族展示室の入り口にあり、トンネルをくぐりながら琵琶湖の魚が泳ぐ様子見上げて写真を撮影できることなどから、同館のシンボル的存在となっていた。11月からクラウドファンディングで資金を募ると、1カ月もたたずに500万円の目標を達成。最終的には、796人から1,159万3,000円の資金を集めた。企業からは14件・1,205万円の寄付があった。

 21日と22日には、クラウドファンディングで「トンネル水槽の内覧会への招待」をリターンに選んだ支援者と寄付してくれた企業の関係者を招待して内覧会を実施した。内覧会では、21日の閉館後に、滋賀県副知事の江島宏治さんがイワトコナマズを水槽に入れ、続いて支援者と企業関係者合わせて16人がウグイとゲンゴロウブナを入れた。22日には支援者と企業関係者合わせて26人もウグイとハスを入れた。23日の開館までに琵琶湖の魚11種・約750匹を入れる。

 内覧会に参加した5歳の寺嶋一晃くんは「トンネルの魚をいっぱい見ることができて楽しかった。(自身が水槽に入れた)魚をまた見に来たい」と話した。

 「トンネル水槽を見たいと来館してくれていた人もいたので、ようやく再開できてよかった。この機会にもっといい展示にしたいとスタッフが考えてくれた。魚がどのように泳いでくれるかや皆さんがどのように見てくれるかも楽しみ」と同館館長の亀田佳代子さん。支援者に対しては、「予想よりも多くの人が支援してくれた。博物館を応援するメッセージが多く、読んでいて涙が出るほど感動した。クラウドファンディングを通して琵琶湖博物館のことを知ったり、思い出したりしてくれる人がいた。いろいろな方とのご縁が深まったことが今回のクラウドファンディングの財産」と感謝する。

 開館時間は9時30分~17時(最終入館は16時)。月曜休館(祝日の場合は開館)。入館料は、大人=800円、高校生・大学生=450円、中学生以下無料。

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