洋食レストラン「mosh.(モッシュ)」(大津市松原町)で10月6日、オオクチバス(ブラックバス)のフルコースが提供された。
ブラックバスは琵琶湖の生態系に影響を及ぼす外来魚として駆除対象となっている。堅田漁港の漁師で、滋賀県漁業協同組合連合会青壮年部の会長を務める横江拓郎さんが定期的に刺し網漁を行い、駆除をする中で、「駆除の対象ではなく、ブラックバスをおいしい食材として食べてもらいたい」と「mosh.」のオーナーシェフ轟良輔さんに依頼して、1日限りのブラックバスのフルコース提供が実現した。
当日は、船上で血抜きして神経締めし、熟成させたブラックバスをカルパッチョ、アクアパッツァ、フィッシュ&チップスなどにして提供した。横江さんは「轟さんの手によってうまみが凝縮されて、もちもちとした食感になった。臭いも癖も全くなく、ソースで味の変化を楽しむことができた。食べ応えもあり、改めていい食材だと実感した」と話す。
轟さんは「1年前、横江さんがブラックバスを持ってきてくれて、初めて料理した。それまで食べたことがなかったが、タラに近く、うまみもあり、洋食でも使えると思った。アクアパッツァのだしにはセタシジミを使った。滋賀の食材を地元の人に食べてもらいたい。ブラックバス料理を定番にしたい」と話す。
横江さんは「ブラックバスは小骨もなく、食べやすくて食感がいい。個人的には琵琶湖の魚で一番おいしいと思っている。ブラックバスの旬は10月~3月。ブラックバスを食べることに抵抗がある人にこそ食べて驚いてもらいたい。今後もおいしいブラックバスを食べてもらえる機会を積極的につくっていきたい」と意気込みを見せる。