地元のお年寄りが主役の市民製作ドキュメンタリー映画「結い魂(ゆいごん)」(長岡野亜監督)の上映会が7月10日、龍谷大学瀬田キャンパス(大津市大江町)で催される。同大学社会学部教員の小林直明さんが「映画による地域活性化事例として、学生に限らず地域の人たちにぜひ見てもらいたい映画」として企画した。
滋賀県近江八幡市を拠点に活動する市民組織「YUI-GONプロジェクト」が2008年から製作を始めた同作品。映画監督の原一男さん(大阪芸術大学教授)の企画・指導の下、映像作家の長岡野亜さんが監督を務め、市民による映像メディア活用を推進する「近江八幡市立マルチメディアセンター」(近江八幡市)を拠点に、市民製作スタッフ10人余りが地元を舞台にしたドキュメンタリー映画作りに挑み完成させた。
同プロジェクトの藤田知丈さんは「高度成長期以前の日本を生きたお年寄りの心には、私たちが知らない大切な地域の記憶や独特の価値観がたくさん詰まっている。それらを映画という手法で、笑いや感動も交えたエンターテインメント作品として表現した。次世代の人々の心へダイレクトに届けたい」と話す。
同作品は昨年10月、東京都墨田区内で試写会が行われ、同12月に地元で行われた完成披露上映会では「目標の300人をはるかに上回る1000人が来場した」という。6月16日~29日はワーナー・マイカル・シネマズ近江八幡(近江八幡市)で上映中。
小林さんは「上映会をきっかけに、大学がある大津・瀬田の地からも地元の人たちの力でこのような作品を作れないか模索していきたい」と話す。
15時10分開場、終了は18時50分を予定。当日は上映(第1部)に引き続き、第2部で原さんの講演会を1時間余りにわたり予定する。会場は同大学8号館103教室。入場無料(申し込み不要)。定員は先着500人。問い合わせは小林さん(TEL 077-544-7254)まで。併せて同作品を自主上映できる施設、団体も募集している。詳しくは同プロジェクト事務局(TEL 0748-31-0800)の藤田さんまで。