見る・遊ぶ

大津で「囚人リク」瀬口忍さん原画展-ライブペイントとサイン会も

「囚人リク」瀬口忍さんの原画。ネームや原画など合計約600点の展示が予定されている

「囚人リク」瀬口忍さんの原画。ネームや原画など合計約600点の展示が予定されている

  • 0

  •  

 ギャラリー・ギャルリーオー(大津市中央1)で1月8日より、大津市在住の漫画家瀬口忍さんの「囚人リク原画展」が開催される。

「囚人リク」原画展リーフレット(表面)

[広告]

 瀬口さんは大阪芸術大学を卒業後、京都で王欣太(きんぐごんた)さんのアシスタントを10年続けた後、漫画家デビューを果たした。空の広い滋賀が気に入り数年前に家族と共に移り住んだ。今も滋賀を拠点に連載をこなす。

 「囚人リク」は秋田書店「週刊少年チャンピオン」に連載中の漫画作品。物語は隕石が直撃、壊滅した近未来の東京が舞台。無実の罪で懲役30年を科せられた13歳のリクを主人公とする作品だ。同展ではネーム、原画など合計約600点の展示を予定している。

 ギャラリーオーナーの加藤晶子さんが瀬口さんを知ったのはSNSミクシィで瀬口さんがアシスタントを募集していたことがきっかけ。週刊マンガ雑誌の連載作家が大津市在住であることに驚いたという。ギャラリーのオープンが決まった際にさっそく展覧会開催を打診。瀬口さん、秋田書店にも協力を得ることができ実現することとなった。「筆圧や作品に息吹きが入る瞬間を感じる原画展にしたい。サイズの大きな迫力ある原画をぜひ見てほしい」と加藤さんは呼び掛ける。

 瀬口さんは初めての原画展開催に向けて「私の作品でいいのか少し戸惑ったがせっかくの機会なので引き受けた」と謙虚に話す。同作品の連載は2011年2月に始まりコミックス単行本としてすでに9巻が発行され人気も上々。「アシスタント時代に一度、東京で行われた王欣太先生のサイン会に同行したことがある。普段、顔の見えない読者と直接出会えるイベントの場に感動した」という。連載開始後1カ月ほどで起こった東日本大震災時には「こんな時に漫画を描いていていいのか」と自問自答の日々を過ごす。そんな時、ブログに「リクから生きる勇気をもらいました」とコメントが入った。「部屋にこもり、ひたすら机に向かう日々を過ごす身にとって、とてもうれしいメッセージだった。自分のできることで頑張ろう」と描く勇気をもらったと話す。ブログのほかツイッターでも読者と積極的に交流する。人との縁を大切にする瀬口さんにとって同展にかける思いは強い。

 「漫画家として連載を持てるようになったのは人とのご縁のおかげ。王先生の『蒼天航路』コミックスの空きページに自分の作品を『おまけまんが』として4ページ掲載する機会があり、それを見た編集者との出会いが『囚人リク』連載につながった」と話す。「漫画家志望の人、漫画好きの人、特に漫画好きでもないがたまたま立ち寄った人など、色々な方が展示会にお越しくださると思う。漫画にかかわらず技術やスキルも社会では大事かもしれないが、人とのつながりを大事にして欲しい。そして全力で頑張っていれば道は開ける。どんな世界にも当てはまることだと思う」とまだ見ぬ来場者にメッセージを送る。

 今月19日にはライブペイント(10時~12時)、サイン会(13時~)も行う。ライブペイントでは「囚人リク」の本原稿を瀬口さんがライブで制作する。サイン会は描き下ろしポストカード(500円)の購入者先着50人限定。展覧会初日よりポストカード購入者に整理券を配布し、参加希望者は当日持参。

 開催時間は10時~17時。入場無料。月曜休廊。同27日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース