日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:岸本暁)が開発した「超薄板ガラス」が、SIVGA社の新製品イヤホン「Que UTG」の振動板に採用され、2025年5月23日より販売開始されました。「Que UTG」は、イヤホンとして世界で初めて特殊ガラスの平面振動膜とダイナミック型(ムービングコイル型)の構造を融合させた製品です*。
* 日本電気硝子調べ、2025年6月時点、主要イヤホンメーカーの製品情報および国内外の専門メディア記事を対象に調査
Que UTG(左)と超薄板ガラス振動板(右)
■超薄板ガラス製振動板の特長
特殊ガラスである「超薄板ガラス」は、窓ガラスやコップに使われる一般的なガラスとは機能や性質が全く異なる素材です。超薄板ガラスを振動板に採用することで、以下のようなメリットが生まれます。
- 紙や金属などの既存素材に比べて音の立ち上がり※が速いため音が鮮明にクリアに届く
- 素材自体に固有音が少なく(内部損失が高い)音の立ち下がり※が速いため音に歪みが少ない
- 軽くて振動しやすく繊細な音のニュアンスを正確に表現できる
- ガラス表面を特殊な化学処理で強化しており、重低音の激しい振動にも耐える
- 温度や湿度などの環境変化に強く、経年劣化しにくい
超薄板ガラスは振動板として非常に優れた特性を持っており、可能性を秘めた新たな素材として業界から注目が集まっています。
※「音の立ち上がり」とは、音が鳴り始めてからピークに達するまでの時間や反応の速さを指します。立ち上がりが速いと、音の輪郭がはっきりし、打楽器や弦楽器のアタック音が鮮明に再現されます。一方、「音の立ち下がり」とは、音が鳴り終わったあとにどれだけ速やかに音が消えるかを表します。立ち下がりが速いと、音が不要に残らず、次の音がクリアに聴こえるため、全体として歪みの少ない、引き締まった音になります。
■日本電気硝子が素材を開発、Glass Acoustic innovationsが振動板に3D成形
ガラスの3D成形は台湾のGlass Acoustic innovations Co., Ltd.(以下、GAIT)が担当しました。GAITはガラス振動板成形に関する高い技術力と複数の特許を保有しており、当社とGAITは2023年に戦略的パートナーシップを締結しています。
■Que UTG
「Que UTG」は、SIVGAの日本国内総代理店である01Diverse株式会社を通じて販売され、価格は15,980円(税込)となっています。
製品Webページ
https://01diverse.jp/products/sivga-que-utg
[会社概要]
日本電気硝子株式会社は、滋賀県大津市に本社を置く、世界トップクラスの特殊ガラスメーカーです。新たな機能を生み出す特殊ガラスは、板や管、糸、粉末などさまざまな製品に姿を変え、半導体やディスプレイ、自動車、電子機器、医療、エネルギーなど多岐にわたる分野で活躍しています。当社が70年以上の歴史の中で磨き上げてきた技術と実績により開発された特殊ガラスは、暮らしのあたりまえから産業の最先端まで、幅広い分野で高い評価を受けています。
会社名 :日本電気硝子株式会社
本社 :〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号
代表者 :代表取締役 社長 岸本 暁
創立 :1949年12月
URL :https://www.neg.co.jp/