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ミスターびわ湖・川本勇さんとびわ湖岸を歩くツアー、三井寺国宝など見学

全長260メートルの瀬田の唐橋を東に渡った所で記念撮影。ツアーは、ポールを持って全身の筋肉を使って歩く「ノルディックウオーク」。川本勇さん(2列目の左から5人目)はワンダーフォーゲル部出身でもある

全長260メートルの瀬田の唐橋を東に渡った所で記念撮影。ツアーは、ポールを持って全身の筋肉を使って歩く「ノルディックウオーク」。川本勇さん(2列目の左から5人目)はワンダーフォーゲル部出身でもある

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 メディア・プロデューサーで「ミスターびわ湖」と呼ばれる川本勇さんが経営する「ユーストン」(大津市粟津町、TEL 077-531-1770)が1月11日、びわ湖岸を徒歩で巡るツアー「新春初詣スペシャル!国宝ひしめく三井寺ランブリング!勇さんのU☆TIMEツアー」を行った。

非公開の国宝・光浄院客殿も

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 2年前から始まった同イベントは11回目。FM滋賀「U☆TIME Cafe(ユータイムカフェ)」(毎週土曜11時~12時55分)の1コーナーとしての企画だ。「滋賀の魅力を再発見」をテーマに通常のツアーではあまり行かない(行けない)場所を巡るツアーを番組内で企画し参加者を募集。リスナーとの交流を深める双方向型のメディアの枠組みを作るのが狙い。参加者は瀬田唐橋・近江大橋を渡り、瀬田川・びわ湖岸を歩き、三井寺へ到着する約12キロのコースを踏破し、4地点で大津の街並みの歴史に関する講座を受講した。

 当日はユーストンで開講式を行い、ロックミュージシャンでもある川本さんらしく「ローリング・ストーンズの『ミッドナイト・ランブラー』のように人生の目的を見つけながらさまよい歩く」とあいさつ。FM滋賀の二反田隆治社長が「歴史的名所の多い大津を深い所まで探っていきたい」と続いた。

 最初に訪れたのは瀬田唐橋西詰めの「唐橋焼窯元」。宗家の若山義和さんが唐橋焼きと瀬田の唐橋について「瀬田の唐橋学」を講義。「びわ湖ブルー」といわれる鮮やかな色彩と、今までに100万個作ったというフクロウのモチーフが特徴。「今の時代に喜んでもらえるものを心掛けている」と意欲を見せる若山さんは、昨年秋に唐橋で初開催した「大綱引き合戦」の実行委員長も務め、まちづくりに取り組んでいる。「唐橋は、壬申(じんしん)の乱をはじめ、幾度と決戦の舞台となっては焼け落ちた。かつて木像だったのもコンクリートで補強され、30年分の塗り替えが行われた。平成と江戸の欄干が入り交じっている」という。「大田瓦店」も見学し、一行は唐橋を東へ渡った。瀬田川の水面を間近に見ながら北上し、近江大橋を西へ渡った。海のようなびわ湖と比叡山、比良山系を望む爽快さに参加者は足の疲れも忘れ、歩みを進めた。

 昼食は、ドイツレストラン「ヴュルツブルク」(大津市由美浜)でのバイキングで、同店オーナーシェフの高橋正樹さんによる「大津ドイツ友好学」の講義を受けた。滋賀を訪れたドイツ人のマックス・ダウンテンダイさんが帰国後、「びわ湖八景」を発刊したことをきっかけに1979(昭和54)年、大津市とヴュルツブルクが姉妹都市提携を結び、大津市は「近江の庭」を寄贈。そのお礼として1998年、大津市制100年に寄贈された建物がレストランとなった。ヴュルツブルクは「ワイン畑の城」という意味で、イタリアのローマへ続くヒュステンまでの336メートル「ロマンチック街道」のスタート地点。ディズニーランドの「シンデレラ城」のモデルとなった「ノイシュバンシュタイン城」もこの途中にあり、「ローマへ続くすごくきれいな風景のことを『ロマンチックだ』と言うようになった」と高橋さん。参加者は、ドイツ料理でおなじみのホットワインやソーセージのほか、「ローマに倣って作られた」というマカロニグラタン風のドイツのパスタ「シュペッセ」などを堪能した。

 さらに湖岸を北上し、旧大津公会堂(大津市浜大津1)へ。同番組レギュラー出演者の「守山カフェバード」店主・南清章さんから自家焙煎(ばいせん)コーヒーが振る舞われ、「まちづくり大津」社長で事務局長の元田栄三さんが「大津の歴史学」をテーマに講義を行った。1934(昭和9)年に建設された、フランク・ロイド・ライトに影響を受けたアールデコ風の建物だ。老朽化により取り壊しが検討されたが、2003年より、地域自治会などを中心に保存運動が続けられたことを契機に、市が保存・利活用のために整備を行い、まちづくり拠点施設としてホールやレストランなどに使用している。2010年には景観重要建造物に指定された。

 参加者は、上り坂となっているびわ湖疎水沿いを歩いて行き、疲れや足の痛みもピークになったころ、三井寺山門に到着。「弁慶の引きずり鐘」と「千団子祭の亀」をモチーフにしたゆるキャラで、智証大師生誕1200年を記念して誕生した三井寺広報僧の「べんべん」が出迎えた。同キャラは、ほら貝を吹くのが得意で、参加者が座禅と祈とうを行うために観音堂へ向かう階段を登り切った所でもほら貝を吹いて激励した。同寺執事の福家(ふけ)紀明さんは、川本さんと膳所高校の同級生であるという縁で非公開の国宝・光浄院客殿を案内し「三井寺学」を講義。「かつて比叡山延暦寺と対立していた同寺から弁慶によって奪われ比叡山へ引きずり上げられため鳴らなくなった」という伝説の鐘や通称「三井寺」の名前の由来となった天智・天武・持統天皇の産湯に使われたという井泉「閼伽井屋」の見学、盲目の婦人に日暮れを伝えたという近江八景「三井の晩鐘」の鐘突き体験もあった。

 最後に一日の学びを確認するテストが行われ、山門前の「風月」で夕食の「釣り鐘弁当」を楽しんだ。食後にブービー賞や上位3人に巡った各施設からの記念品が進呈されたりと盛り上がる中、閉講式となった。

 次回のツアーは3月開催の予定。

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