国内月間アクティブユーザー数約1600万人とされ、滋賀でも登録者が約7万5000人を突破したフェイスブックを使って滋賀の魅力を発信しようと開設されたウェブサイト「しがトコ:滋賀のええトコ」が、開設から2カ月半でファン約3600人を集めた。
昨年滋賀県守山市にUターンしたマーケティングディレクターの林正隆さん(プラスエイチ・ワークス)が9月15日、フェイスブックページを利用して開設した同サイト。滋賀の魅力を「スポット、イベント、ショップ(カフェ)、プロジェクト」の切り口で紹介。週2~3本のペースで魅力的な写真とキャッチコピー、記事で情報を発信する。フェイスブックのクチコミ力で投稿情報には多くの「いいね!」やコメントが付き、情報がシェア(共有)される。紹介する記事は林さんと妻でライターの亀口美穂さんが実際に取材し作成、写真家の辻村耕司さんから提供を受けたプロの写真を使って記事のクオリティーにもこだわる。クオリティーへのこだわりは反応率にも現れる。高いものでは記事への反応率は20%を超える。
滋賀県内でもフェイスブックの利用者が徐々に増え、さまざまな情報発信に活用されるケースが増えている。県内1位は全国で人気の「ひこにゃん」で約7000人のファンを持つ。高島の魅力を発信する「びわ湖源流の郷」は約4400人のファンを集め2位。「しがトコ」は約3600人で3位と続く(12月3日現在)。
同サイトが意識するのは大阪や東京など都市部の30~40代の女性。ビジュアルとキャッチコピーでストレートに雰囲気を伝えることを意識しているという。大阪出身の亀口さんは「滋賀のイメージは『琵琶湖』くらいだったが、実際に滋賀に住むようになって滋賀の良さに感動する毎日。街と田舎がバランスよく存在し、自分たちの住む場所でいろいろな活動をする人々も多く、素晴らしい魅力あふれる場所。落ち着けるすてきなロケーションのカフェも多い。知られていない滋賀の魅力を都会の感性豊かな女性にアピールしたい」と声を弾ませる。
他団体との連携も進む。ファブリカ村(東近江市)とコラボレーションした「近江の麻ストール」のプレゼントキャンペーンには558人の応募があった。県が推進する「美の滋賀」プロジェクトと連携したフォトコンテストの実施も予定されている。
「フェイスブックページでスタートした試みだが、公式サイトの充実やさらなる生活者の方とのコミュニティーを意識したサイトに進化させたい」と林さんは今後の抱負を語るとともに、「さらに良いウェブサービスとして運営を続けるために収益面でも工夫しないと」と苦笑いする。