大津の社長らが4月26日の開業を目指し、大津百町の商店街の活性化を目的とした民間まちづくり会社「百町物語」を設立した。
東海道大津宿の宿場町、大津城の城下町などとして栄えた1300年の歴史ある「大津百町」の新たな物語を目指し立ち上がった同社。範囲は菱屋町・丸屋町・長等の商店街を中心として大津駅前、浜大津、三井寺や坂本へも拡大を予定する。発起人は叶匠壽庵会長の芝田清邦さん、豆藤社長の鳥居静夫さん、琵琶湖汽船社長の川戸良幸さん、綾羽社長の河本英典さん、菱屋町商店街振興組合理事長の寺田武彦さん、国華荘社長の佐藤祐子さん、エクセル・ディアマン代表の中嶋左近さん、今堀興産社長の今堀宏さん。3年後には年間100万人の交流を目指す。
事業内容として4つの柱を掲げる。第1の柱は「プラチナ大津計画」。大津在住の60歳以上の「プラチナ世代」が出資し、働く飲食店などを展開。野菜やジェラートなど地産食材を使ったスイーツを販売する。第2の柱は「愛犬都市計画」。僧侶・蓮如が犬に命を助けられたことをきっかけに築いた犬塚が大津百町にあることから、犬に優しいまちづくりを企画する。
第3の柱は有名店誘致事業計画。現在、兵庫の菓子店「アンリシャルパンティエ」、長野の寒天を扱う「伊那食品工業」による「かんてんパパ」などが出店を予定する。第4の柱は地元の店誘致。近江牛の老舗「松喜屋」、肉料理レストラン「ダイニング・モー」、アンティークの「吾目堂」の大津の有力店が集結するほか、果物とジュースの販売・カフェを営む「丸二」もリニューアルする予定。シャッターが閉まった状態の店が大半の現状から、どれだけの景観の変化を遂げるのか注目が集まる。
百町物語の社長を務める芝田清邦さんは「喜び合える場所、永続性ある取り組みとして、ベースとなる百町をつくりたい。大阪の黒門市場や京都の錦市場のような名所になれば」と意欲を見せる。「町衆が立ち上がっているのが心強い」と話し、後継者を育てることを重視するという。