市民劇団「もりやまふるさと劇団」の「伝五がくる!」公演「戦国のジャスティス~藤田伝五の物語」が11月28日、守山市民ホール・小ホール(守山市三宅町)で開催される。
同劇団は2015(平成27)年に守山青年会議所の45周年事業として立ち上げ。代表の清原大晶さんは「市民が主役で、皆が楽しくなるような事業をやりたいと思っていた。ちょうどその頃、吉本興業が『よしもとふるさと劇団』というイベントのパッケージを企画されていたので、劇団を立ち上げることにした」と振り返る。
2015年は、オーディションで選ばれた小学生から60代までの25人と、滋賀に住みます芸人のファミリーレストランが出演し、守山の中山(なかせん)道を舞台に新喜劇の公演を行った。清原さんは「1度きりの予定だったが、子どもたちや公演を見た方から再結成を望む声があり、2年後に再結成した」と話す。毎年「もりやまほたるパークアンドウォーク」の関連イベントとして公演を行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止になった。守山市の「市民提案型まちづくり支援事業」の助成を受け、公演が決まった。
今年は、市内の小学校教諭の小笠原大輔さんが脚本と演出を担当し、初めて時代劇に挑戦する。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」にも「藤田伝吾」として登場する主人公・明智光秀の家臣、藤田伝五の物語を公演。藤田伝五の前半生は不明な部分が多いが、観音寺(守山市水保町)に伝わる古文書や家系図に「藤田伝五行政」の名が書かれていて、守山市にゆかりがあるのではないかといわれている。
10歳から44歳の15人の出演者が9月からけいこを開始。清原さんは「子どもたちが劇団の活動を通して守山市や滋賀県に興味を持つようになり、表現することの楽しさや自分たちで工夫して結果を出すことに喜びを感じてくれるようになった。全員が仕事や学校に通いながらけいこをしているので、毎回無事に公演ができるのか心配するが、その心配をよそに、子どもたちは本番に強く、堂々と演じてくれる。準備は大変だが、メンバーの成長を見ると、またやりたいという気持ちが強くなる」と話す。
初出演で主要な役を演じる中谷大志さんは「今まで学園祭の演技経験しかない中で、主役級に抜てきされてプレッシャーを感じているが、同時に大舞台に出演できることにわくわくしている。今作では藤田伝五の武士としての正義とは何なのかというテーマで描かれており、私の演じる藤田修平も武士としての正義を葛藤の中で考える。歴史に興味がない方も老若男女問わず楽しんでいただける内容になっている」と話す。
担当者は「皆さんの温かい応援のおかげで公演ができることに感謝している。守山市の誇る戦国武将の一人である藤田伝五の男らしさ、未来は自分たちで切り開くことができるという思いを感じていただければ。まだまだ新型コロナウイルスが収束しない中、対策を講じながら公演を行う。一人でも多くの方に見ていただければ」と呼び掛ける。
開演時間は18時30分。観覧料は500円(未就学児無料)。予約制。