立命館大学食マネジメント学部と「ル・コルドン・ブルー」が連携したプログラム「グローバル・カリナリーアーツ・アンド・マネジメント・プログラム」の1期生修了式が3月22日、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(草津市野路東)で開催された。
エグゼクティブシェフのジル・コンパニーさんと1期生の山田さん、長谷川さん
同大学食マネジメント学部1期生で、「グローバル・カリナリーアーツ・アンド・マネジメント・プログラム」1期生の12人に修了書が授与され、ル・コルドン・ブルーのゼネラルマネジャー、赤堀ガエルさんとエグゼクティブシェフのジル・コンパニーさんらから祝いの言葉が贈られた。
「ル・コルドン・ブルー」は1895年にパリで創立された料理(カリナリーアーツ)とホスピタリティーの高等教育機関で、調理実習のほか、食文化についての講義やフードビジネスマーケティングなどのプログラムを世界20カ国で展開している。イギリス、スペインなどの高等教育機関との連携事業も行っている。日本では立命館大学が初めてプログラムを取り入れた。
食マネジメント学部は、「食」を総合的に学ぶ学部で、2018(平成30)年に新設した。井澤裕司教授は「国内には手本にできる大学がなかったので、海外のカリキュラムを参考にしようとコンタクトを取った。その中でル・コルドン・ブルーが興味を持ってくれた。食マネジメント学部は調理師学校でも家政学部でもないが、調理を学びたい学生もいて、そのニーズにも応えられる」とプログラムの導入を決めた。プログラムには、食マネジメント学部生の中から希望者を募り、選考された学生のみが参加できる。
1期生の山田聖(ひじり)さんは「高校時代ラグビー部で体づくりに関心があった。食を科学する学部が滋賀県に新設されることを知り入学した。食についての実戦経験も積みたかったので、プログラムへの参加を決めた」と話す。
プログラム受講者は、学部の単位と別に調理実習255時間、ワイン学75時間、インターンシップ160時間などの履修が必要で、山田さんは「長期休暇の半分は大学に通い授業を受けた。食品メーカーに就職するが、食を生み出す現場について学べたことが今後の仕事にも生きると思う。同世代で同じ経験をしている学生はいないので、それが自信にもなっている」と話した。
同じく1期生の長谷川千尋さんは「高校生の頃からカフェレストランのオーナーになりたくて、食に関する文化や歴史、栄養学にも興味があった。ル・コルドン・ブルーのプログラムで調理も学べることを知り、4年制の大学で学べるならばぜひ受講したいと思った」と話す。ザ・リッツカールトン・京都の調理部門でインターンシップを経験し、4月からリッツカールトンに就職する。「調理技術では即戦力ではないかもしれないが、食文化や歴史、レストラン経営、一般教養など、大学で多くの人と共に学び、蓄積できた知識と考え方が、将来、何かしようと思ったときの引き出しになる」と目を輝かせる。