中学3年生の黒川琉伊さんが先生となり小学生に琵琶湖の魅力を伝えるイベント「船の上の学校」が7月22日に開催された。主催は杢兵衛(もくべえ)造船所(大津市今堅田)。
「子ども会に加入している子もしていない子も船に乗せてあげたい」と思った杢兵衛造船所が地元の今堅田在住の小学生を招待した。
造船所内のレークウエストヨットクラブから今堅田の中学生1人、小学生24人、未就学児2人と保護者10人、スクールガード3人、黒川さんらが外輪汽船「一番丸」に乗船。対岸の琵琶湖博物館(草津市下物町)まで船で琵琶湖を横断し、黒川さんの案内で館内を見学した。
黒川さんは2歳から毎日のように琵琶湖博物館に通い、小学4年で琵琶湖岸に引っ越し、琵琶湖の魚を「捕る・見る・描く・食べる」ことが大好きな中学生。7月1日に絵本「はじめてのびわこの魚」を出版した。「アユのにおいは人の加齢臭に似ている」など、図鑑には載っていない黒川さんならではの説明をすると、子どもたちは興味深く聞き入った。
杢兵衛造船所の常務取締役、仲野智之さんは「お兄さんが話をしたほうが子どもたちに聞いてもらえると思った。子どもだけでなく大人も感心するような知識をたくさん教えてもらえた」と振り返る。
帰りの船の中で、杢兵衛造船所から1家族に1冊「はじめてのびわこの魚」が進呈され、黒川さんがサインと魚の絵を描いた。仲野さんは「琵琶湖博物館で魚を見て、家に帰ってから絵本を見てもう一度琵琶湖の魚について学んでもらいたいとプレゼントした。琵琶湖に触れ、琵琶湖の魚を知り、琵琶湖に対する思いに変化が生まれることを期待している」と話す。
仲野さんは「子どもたちが喜んでくれて、『琵琶湖が好き』と言ってくれたことがうれしかった。今後も、子どもたちと琵琶湖で学べるイベントを継続して開催していきたい」と意気込む。